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2018年6月24日放送 にしゃんたさん(第2086回)

会場 菊川文化会館アエル(菊川市)
講師 羽衣国際大学教授・タレント にしゃんた
講師紹介

1969年スリランカの世界遺産・キャンディ市生まれ。
1987年ボーイスカウトで初来日。翌年、立命館大学に入学。
大学卒業後は大学院に進み、経済学の博士号を取得。
2005年に日本国籍を取得。日本人女性と結婚し一男一女の父。

第2086回「日本で知った幸せの値段」

私は17歳の時「日本に行きたい」と思い、来日してもう30年ほど経ちます。

日本に来るときは

「日本に行けば幸せになれる、ジャパニーズドリームを掴むんだ!」

という気持ちでいっぱいでした。

しかし日本へ降り立つ前、なんと飛行機の中で既にカルチャーショックを受けたのです。

それは客室乗務員がおしぼりを配っていた時の事です。

おしぼりからは湯気が上がっていて、

私は美味しそうな食べ物だなと勘違いしてそれを口にしました。

今では笑い話ですが、当時の私はそれくらい何も知らない状態で来日しました。

その頃から今までに私が日本で経験した出来事を

「数字」をキーワードに振り返ってみたいと思います。

まずは私の中で一番印象に残っている数字「7」です。

私が来日する時、父親がスリランカの実家を抵当に入れて

片道の航空券と7万円を用意してくれました。

7万円はスリランカでは大金です。

ところが日本に着いて日本語学校の授業料を確認すると、

2ヶ月分の9万円を最初に払わなければなりませんでした。

私は日本で親代わりをしてくれている人に相談して2万円を貸してもらいました。

この時、日本とスリランカの物価が大きく違う事に衝撃を受けました。

次に印象に残っている数字は「500」です。

これは私が日本に来て初めてアルバイトした時の単価です。

そのアルバイトは英語の先生でした。

しかもマンツーマンです。生徒は80才を超えるおばあさん。

マンツーマンで英語を教えると結構な金額になると思うのですが、私の場合は500円でした。

さらにそのおばあさんは1時間どころか4時間も私と話すのです。

そして話が終わると500円をくれます。

4時間だから4倍ではなかったのです。

今になって思うとおばあさんは英語を勉強したかったのではなく

話し相手が欲しかったのだと思います。

つまり私が日本に来て初めてしたアルバイトは

「英語の先生」という名の「話し相手」だったのです。

私が日本で経験した印象に残る様々な場面には

それぞれキーワードとなる数字があります。

私が日本で知った幸せの値段、それはいくらでしょうか?

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