2009年11月14日放送 鈴木光司さん(第1661回)
会場 | 磐田市立豊田南小学校 |
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講師 | 作家 鈴木光司 |
講師紹介 | 1957年静岡県生まれ。 |
番組で紹介した本 | 「エッジ」(上・下巻) |
会場 | 磐田市立豊田南小学校 |
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講師 | 作家 鈴木光司 |
講師紹介 | 1957年静岡県生まれ。 |
番組で紹介した本 | 「エッジ」(上・下巻) |
私の小説は「リング」や「らせん」など、怖い小説が多いので、
夜中に書いているのかとよく聞かれます。
実は、子どもをあやしながら、昼間に書いていました。
妻は高校教師でしたので、おむつ替えから、洗濯、保育園の時は送り迎えなど、
すべて家にいる私の仕事でした。小、中学生になると、勉強も私の担当になりました。
ある時、子ども達は勉強する目的を理解しているのだろうかと思いました。
友人の父兄に聞いた事があります。
「いい大学に入るため」「いい会社に入るため」だいたい答えは同じです。
結局、いい会社に入って、いい給料をもらうために、勉強するのでしょうか。
これでは、子どもを説得できませんし、勉強するモチベーションを高めることもできないと思います。
娘に勉強する目的をどう説明しようかと思っている時に、テレビを見ながら娘はこう言ったのです。
「世の中、どんどん悪くなっているみたい」と。私は、ここだと思い、娘と議論しました。
「確かに、環境など悪くなっているのは事実かもしれない。しかし、社会の歴史を見れば、
人間が知恵を出し合って様々な事を解決し、世の中良くなっていると思う。
これからは君らの時代。もっと良くしようと思うならば、勉強は必要なはず。」と話しました。
子どもに勉強する意欲を持ってもらうには、より良い未来を提示するのが、大切だと思います。
勉強を疎かにすれば、問題解決する手立ても浮かばず、議論もできません。
子どもが勉強することは、世界が良くなる一歩なのだということを伝えるべきだと思います。