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過去の放送

2010年3月13日放送 鎌田實さん(第1678回)

会場 牧之原市相良総合センター
講師 医師・作家 鎌田實
講師紹介

1948年東京生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。
諏訪中央病院名誉院長。地域医療に携わる傍ら、
イラクや東日本の被災地支援にも取り組む。
「がんばらない」、「大・大往生」など著書多数。

番組で紹介した本

「言葉で治療する」
 著:鎌田實
 発行:朝日新聞出版(税込1260円)

第1678回「あったかさが大事」

今は、生きていくのに辛い時代と言われています。
相変わらず、自殺者は年間3万人を越えています。
こんな時代だからこそ、人の温かさが大事だと思います。

皆さんは普段、夕日が沈んでいくのを見て、どう感じますか。
その時に、きれいだなと思う心が大切です。そして、子ども達に美しさを伝えて下さい。
そうすれば、子ども達は心が温まり、人生のウォ―ミングアップができます。
準備ができていれば、その子は友人に感動を伝え、連鎖が広がります。

1986年、チェルノブィリで原子力発電所が大爆発、大変な事になりました。
私は子どもを救うため、汚染地域に何度も足を運びました。
アンドレイという白血病の少年がいました。
結局、助けられずに亡くなりましたが、
お母さんは、日本の医師団には大変感謝していると話してくれました。
彼が闘病中に、何か食べたいものあるかと聞いたところ「パイナップル」と言いました。
アンドレイ君の家は貧しくて買えず、町の経済も破綻してパイナップルは売っていませんでした。
それから、日本の医者や看護士は、必死で探し始めました。
その事が町の話題になり、パイナップルの缶詰を持っている人が名乗り出てきました。
日本人が地元の子どものために、寒い雪の中を走り回っていると知り、申し出てきたのです。
憎しみや恨みは暴力や紛争を生みます。今こそ、憎しみの連鎖は断ち切らなければなりません。
温かさは連鎖します。最初は、家庭の小さな事でも地域へと広がっていきます。
温かさの連鎖を起こしましょう。

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