2012年12月 8日放送 坂本廣子さん(第1816回)
会場 | 豊田南小学校(磐田市) |
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講師 | 料理研究家・防災教育スペシャリスト 坂本廣子 |
講師紹介 | 神戸生まれ。サカモトキッチンスタジオ主宰。 |
会場 | 豊田南小学校(磐田市) |
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講師 | 料理研究家・防災教育スペシャリスト 坂本廣子 |
講師紹介 | 神戸生まれ。サカモトキッチンスタジオ主宰。 |
生きる力を持った子どもというのは、右か左かの選択を迫られたとき、
人の言葉を借りずに判断できる子どもだと思います。
子育ての最終目標は子どもを自立させることですが、
それが難しい時代になっています。
今、ニートと呼ばれる、自立から程遠い位置にいる人たちがいます。
自分に自信がなく、生きていていいのかと自問自答してしまう。
サボっているわけではなく、一旦外に出ても社会との接点を見つけることが出来ずに、
また元に戻ってきてしまいます。
心理学的な問題として、この人たちに共通しているのは、「自己尊厳感」の欠如です。
明治が開け、鎖国が解けたとき、異文化の外国の人たちが賞賛したのは、
日本の子育てのすばらしさでした。
モースや冒険家のイザベラ・バードなどは、日本では子どもが無条件の愛で育てられ、
子どもたちは穏やかに、自信に満ちている」とその感動を書に記しています。
そんな磐石な愛がどうして今変わってしまったのか、
それは、大人が愛情に条件をつけてしまっているからかもしれません。
「言うことを聞けば愛してあげる」というような...。
少子化の影響かもしれません。
ある精神科の先生に聞くと、ニートの人たちは、
家庭内で親から「早く、早く」とせきたてられて育ったケースが多いようです。
たとえゆっくり考えて立派な結論を導き出せても、早く出来ないとバサっと切られてしまい、
そこで自信を失ってしまうのです。
私たちのキッズ・キッチンでは、子どもたちだけでご飯を作る体験をさせています。
子どもは50分説明してやれば45分できっちりと段取りをして一汁二菜を作ります。
京都の幼稚園では、年少から卒園まで3年間で30回のご飯を作る試みをしています。
卒園の時にその子たちは「ぼくたち、売っているのものは何でも作れるよね」と言い
自信をもつようになります。
また、手のひらで豆腐を切る体験をすると、
初めは失敗しても2回目からは出来るようになり、
出来たときの表情には「自分で出来た」という自信がみなぎります。
自己尊厳感が生まれる瞬間です。