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次回の放送

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次回の放送

2023年1月29日放送 沼田晶弘さん(第2316回)

会場 相良総合センターい~ら(牧之原市)
講師 東京学芸大学附属世田谷小学校教諭 沼田晶弘
講師紹介

東京学芸大学教育学部卒業後、アメリカの大学院で学ぶ。スポーツ経営学の修士を修了。児童の自主性、それを引き出す斬新でユニークな授業が数多くのメディアで話題となる。著書多数。

番組で紹介した本

「「変」なクラスが世界を変える! ぬまっち先生と6年1組の挑戦」
著:沼田晶弘(中央公論新社)

第2316回「変なクラスが世界を変える」

 大人は時間の感覚があるので「見通し」が立てられます。例えば、毎朝「めざましテレビ」を見ていて「めざましジャンケン」が始まったらそろそろ出かける時間...。みなさんもそんな経験がありませんか?しかし子どもたちは、今に夢中です。

 学校では給食が終わり「ごちそうさまでした。」の挨拶の後、掃除の時間になります。私のクラスは挨拶と同時に曲を3曲流すことにしました。この間に給食の片づけと掃除を済ませます。時間内に終わるようになるとさらに短い曲に変えました。その後、新しい課題も加えました。曲のサビの部分で踊る「ダンシング掃除」です。きっかけは、街で見かけた「ペンキ塗りたて」の看板でした。看板の前で観察していると通り掛かかる人たちがみんな乾いているかどうかチェックしていきます。「やるな」と言われると人はやりたくなるのです。これまで掃除を早く終わらせるための手立てを講じてきましたが今度は逆に「掃除をするな」と言われている感覚です。するとますます掃除がしたくなります。
私のクラスはよく音楽を使います。1年生の時は着替えの時間に映画「ドラえもん」のテーマ曲をかけていました。生徒たちがロッカーから体操着を持ってきて、着替えてたたんで席に着く、そこまで3分40秒です。その後、保護者のみなさんからお礼の連絡帳が届きました。「朝、あの曲をかけたら自動的に着替えます」と。曲をかけて時間を意識させるのです。

システムを変えると子どもたちの「やる気」が伸びてきます。「早くしなさい」、「ちゃんとしなさい」では、何も変わりません。

 最終的なゴールを目指すときに近くに別のゴールを設定することも効果的です。6年生の卒業遠足のエピソードです。クラス全員で行けるところを探していました。遊園地が定番ですが園内ではグループ毎に分かれてしまうので全員で行動できません。そこで帝国ホテルのディナーに行ってリムジンで帰って来るというプランを立てました。本当にそんなことが可能なのかと耳を疑うほどスペシャルなプランを実現するためにたくさんのプロジェクトを組み、生徒たちは作文や絵画、川柳、そして学校新聞コンクールなど様々なコンテストにも応募しました。賞品や賞金が出るものもあります。そして達成したプロジェクトに花をつけて教室の壁に貼っていきました。成功体験の可視化です。花の数から「花畑の伝説」と名付けました。生徒たちは卒業の前に100個のプロジェクトを達成していました。達成した数と同様に生徒たちの学力も上がりました。また「やればできる!」という自己効力感、さらにプレゼン術やリサーチ力もアップしました。これは生徒たちの自信になりました。

私も生徒たちも「うちのクラスは世界一」と口を揃えます。担任の私が認めた「世界一」です。私は生徒たちを後押しする「根拠」になりたいと思っています。生徒たちは大学に入った今も「やればできる」という気持ちはずっと続いていると話します。「やらされる」と「任される」は結果的には同じです。子どもたちが常に「自分は任されている」と思えることが大切です。

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