2013年3月 9日放送 セルジオ越後さん(第1828回)
会場 | 小山町総合文化会館 |
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講師 | サッカー解説者 セルジオ越後 |
講師紹介 | 1945年ブラジル・サンパウロ市生まれ。 |
会場 | 小山町総合文化会館 |
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講師 | サッカー解説者 セルジオ越後 |
講師紹介 | 1945年ブラジル・サンパウロ市生まれ。 |
現在67歳の私も、昔は子どもでした。
60年前の私のブラジルでの生活は、人が恋しく、
毎日友達と会っては遊んでいました。それが子どもの仕事でした。
サッカーももちろん、土や砂の上で靴を脱いで、裸足でやりました。
他にもビー玉やかくれんぼもやりました。
テレビゲームなどない時代です。
集団で遊ぶのが普通のことでした。
今は、デジタルで一人で楽しめる時代になりましたが、
社会やコミュニティの中で生きてゆく時には、訓練が必要です。
一人の企業や一人の町などありません。
人は団体の中で学びます。10人単位で遊ぶとき、
ルールや遊び方を決めるために必ずリーダーが必要になってきます。
それがガキ大将です。
1人、2人ではリーダーは必要ありません。
大きな輪の中で生きることで、争うことやチャレンジすることを教わります。
ジャングルでも動物たちは生存競争を繰り返し、たくましくなっていきます。
私の時代にはいじめはありませんでした。
集団でのケンカはたいがい、いつもにらみ合いで終わりました。
10人対10人のケンカは疲れるし、痛いですから。
今は、5人対1人でやる。
それはいじめです。
私の時代は先輩後輩入り混じって遊んでいたから、
いじめられそうになっても、先輩が助けに入ってくれました。
ライオンが、草原で弱い動物を追いかけているシーンをテレビで見ていると、
その動物が群れに入った瞬間にライオンが追うのを諦めてしまいます。
それが仲間の強さです。
携帯電話全盛期の今、家に帰ると子どもたちが自分の部屋で、
今別れたばかりの友達と長い時間電話で話しています。
楽しいのでしょうが、それでは情報量が少ないのです。
昔は友達と別れて家に帰れば、おじいちゃんやおばあちゃん、
兄弟と話をして、色々なことを覚えました。
自然な社会教育の場でした。