2013年6月 8日放送 川村妙慶さん(第1841回)
会場 | 大富公民館(焼津市) |
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講師 | 僧侶・アナウンサー 川村妙慶 |
講師紹介 | 福岡県生まれ。真宗大谷派僧侶。 |
会場 | 大富公民館(焼津市) |
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講師 | 僧侶・アナウンサー 川村妙慶 |
講師紹介 | 福岡県生まれ。真宗大谷派僧侶。 |
心はどこにあると思いますか?
目に見えない心というものについてお話しします。
でも、答えを持って聞かないでください。
悩みを持つ人には共通点があります。
それは、答えを先に持ってしまうことです。
たとえば、私は病気になった、もう治らないだろうという風に
物事をすぐに一定の方向に決めつけてしまう。
その中で、いい、悪いと白黒つけてどちらかにグループ分けしようとするのです。
そうではなく、「問い」を持って生きて欲しいのです。
人生に答えなんて一つもありません。
悩んだ時は、「なぜだろう」と自分に問いかけ、
どうしたらよい方向に進めるかを考えてください。
人間の心はそもそも悩むように出来ています。
成長にも時間がかかります。
仏教で大切なことは「観る」ことです。
「見る」と言うのは、外のものを見るのですが、自分自身の姿を見ていません。
「観る」はちょっと離れたところから自分のことを観察するという意味があります。
人の心には、煩悩があります。
「心」という字は波のように見えます。
その波の中に煩悩という見えない玉があると想像してみます。
人の言葉にむかっときたり、何かを欲しがったり、
状況が変わるたびに煩悩の玉は上がったり下がったりします。
職場環境だったり、人間関係だったり、
仏教でいう「外物(げぶつ)」によって、揺れ動くのが人間です。
煩悩がなくなることはありません。
親鸞は言います。
「外だけのせいにするともったいないですよ」と。
煩悩の玉の中心には性(しょう)や根(ね)というものがあって、
勝手に球を上げたり下げたりするのです。
お腹いっぱいで幸せと思った次の瞬間、太ったと悩む...。
そんな不安定な私たちの心をどうしたらいいのでしょう。
自分自身が心の仕組みを"観て"、今の心の状態によって、
見方を変えていくと楽になることがあります。
悩んだときは一人で頑張るのでなく、「他力」を使ってください。
力を抜き、仏教の願いに包まれていることを知ってください。