2013年10月12日放送 池間哲郎さん(第1859回)
会場 | 萩丘小学校(浜松市) |
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講師 | (一社)アジア支援機構 代表理事 池間哲郎 |
講師紹介 | 1954年沖縄生まれ。 |
会場 | 萩丘小学校(浜松市) |
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講師 | (一社)アジア支援機構 代表理事 池間哲郎 |
講師紹介 | 1954年沖縄生まれ。 |
子どもたちを対象に、アメリカやヨーロッパ、アジア各国で行ったアンケートによると、
教師を尊敬しますかという問いに対し、"はい"と答えた人は、
世界平均が80%を越えているのに、日本は21%しかいなかったそうです。
また、父母を尊敬しますかと言う問いにも
日本は25%しか"はい"と答えた人がいませんでした。
もうひとつのアンケートで、日本、アメリカ、韓国、中国の4カ国の約7千人の子どもたちに、
自分自身に価値があると思うかと聞いたところ、アメリカと中国は9割近くが
"はい"と答え、韓国は7割。
しかし、日本はわずか3割程度だったそうです。
多くの子どもが自分に価値がないと思っていることが分かりました。
我々は教育に関して大事なものを失ってしまったような気がします。
私たちの子どもの時代は、母親がガミガミ言うと
子どもは内心で「うるさいなあ」と思っていても、
母親がお父さんに言うからねという一言で終わってしまいました。
それほど「親父」は怖かった。
それはそれで大事な教育だったのかもしれません。
今、親が子どもよりも下になっているような気がします。
子どもに好かれようとすれば、間違いが起きます。
大人は、毅然としなければいけません。
特に今、子どもたちに仕事や役割を与えていないことが問題だと思います。
どの国に行っても、子どもたちが懸命に両親を支えている姿を目にします。
学校から帰るとすぐに外に出て行き、商売をしてお金を稼ぎ、
親に渡している子どもたちもいます。
企業も気づき始めています。
入社試験の面接では「家で手伝いをしていますか」と聞くのです。
家でそういう風にしてきた子どもは立派な大人になっていることが多いからです。
皿洗いひとつでもそれをやれば、
いかにお母さんが大変な思いで家族を支えているのかが分かり、
親を尊敬するようになります。
私たちが支援しているカンボジアやラオスやミャンマーの子どもたちは、
貧しさから学校に通わせてもらえないケースが多くあります。
5歳くらいの子でもすでに自分の仕事を持ち、責任を負わされています。
カンボジアのゴミ捨て場で働く男の子は
「勉強するよりも自分が生きることが大切だ」と私に言いました。