2010年12月18日放送 香山リカさん(第1718回)
会場 | 菊川文化会館アエル |
---|---|
講師 | 精神科医 香山リカ |
講師紹介 | 1960年北海道生まれ。東京医科大学卒業。 |
会場 | 菊川文化会館アエル |
---|---|
講師 | 精神科医 香山リカ |
講師紹介 | 1960年北海道生まれ。東京医科大学卒業。 |
精神科医として、日々いろいろな方と接しています。
子育て中のお母さん達も相談に来ますが、特に、思春期にさしかかった
お子さんをお持ちのお母さんがよくいらっしゃいます。
子どもが思春期になると、今まで見たこともないお子さんの姿に接するので、
親に不安や動揺が広がります。突然話をしなくなったり、何を考えているか
わからなかったりすることは、反抗期の特徴です。親としては不安ですよね。
しかし、子どもの心の発達を考えれば、ごく普通の事なのです。
心が芽生える時期なので、子ども自身も不安定な状態です。
親が軽い気持ちで口を出したことにも、子どもは大人に芽を摘まれて、
つぶされてしまうような気持ちになるのです。
親としては、大変だとは思いますが、誰もが通らなければならない儀式ですので、
むしろ自然な事だと捉えてください。
親の言うことをよく聞き、とても素直だった子どもが、突然不登校や非行に
走ってしまったと相談に来るお母さんがいます。この子ども達に話を聞くと、
親に反発したい気持ちがあっても、親ががっかりするので、
悪い自分を親に見せられないのだと言います。良い子のふりをしているのです。
親に褒められたくてがんばったのに褒められない、まだ自分に自信が持てない
子どもにとっては、とても辛いことなのです。
保護者の方も自分自身に自信が持てず、育児雑誌などに頼っていませんか。
お子さんの悪いところをあれこれ指摘するよりも、少しでもいいところを見つけて
「よくがんばっている」と言ってあげてください。肩肘張ることなく、
子育て以外の自分の時間を作って愉しんでください。
親がハツラツと生きていれば、お子さんの心も安定するのです。