2015年5月31日放送 ダニエル・カールさん(第1939回)
会場 | 沼津市民文化センター(沼津市) |
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講師 | 山形弁研究家・タレント ダニエル・カール |
講師紹介 | 1960年アメリカ生まれ。高校時代、奈良に1年間留学。 |
会場 | 沼津市民文化センター(沼津市) |
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講師 | 山形弁研究家・タレント ダニエル・カール |
講師紹介 | 1960年アメリカ生まれ。高校時代、奈良に1年間留学。 |
海外に出かけてみると、いろいろと発見することが多いと思いますが、
日本に戻ってくると、やはり日本はいいなあと思ったり、ほっとしたりするものです。
でもしばらく行かないとその新鮮な気持ちを忘れてしまいます。
例えば、日本の交通網は世界一だとおらは思います。
仕事が忙しく、全国を東奔西走、山形弁だと「つったらぱったら」して、
仕事させてもらっています。
先週も、群馬、九州、東北を行ったり来たりしていました。
日本は、東京や大阪からなら
日本全国どこでも日帰りが出来るくらい便利です。
飛行機を降りたら在来線、それを降りたらバスかタクシーが待っています。
日本にやってきた外国人が感動するのが電車の時間の正確さです。
何年か前、おらが駅で電車を待っていると
反対側のホームにいたオランダ人が、頭の上の時刻表を見上げていたので、
迷子になったのかと思って声をかけに行ったら、
「これは何の時刻ですか」と聞くので、
「到着の時刻ですよ」というと、「嘘だ」と言って信じようとしません。
そこで、おらがそれなら少し待ってみればと言い、
間もなく時刻表通りに電車が着いたとき、
そのオランダ人は「すごいすごい!」と言って大騒ぎしていました。
日本では電車の到着が1分でも遅れたら文句を言う客もいるけど、
車掌さんに「時刻通りでありがとう」とお礼を言ったことはありますか?
日本人は自慢の心が足りないと思います。
謙遜の美徳は伝統ですが、自慢と謙遜はバランスが大切だと思います。
いいものはいいと言わないと、その良さを忘れてしまう。
素晴らしさをほめなければ、しばらくするとそのことは「普通」になってしまう。
「普通」はもうしばらくすると「当たり前」になり、やがて「大したことない」となる。
水道の蛇口から直接水が飲める国は世界にそう多くありません。
ワイドショーのコメンテーターが
日本の治安や教育について文句言っているのを見るけど、「ちょっと待て」と言いたい。
教育だって、江戸時代に栄えた寺子屋では、
誰でも差別されず学問をすることが可能になったのです。
皆さん、目の前にある日本の良さを見直してみてください。