2015年7月12日放送 衛藤信之さん(第1943回)
会場 | 菊川文化会館アエル(菊川市) |
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講師 | 心理カウンセラー 衛藤信之 |
講師紹介 | 日本メンタルヘルス協会代表。 |
会場 | 菊川文化会館アエル(菊川市) |
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講師 | 心理カウンセラー 衛藤信之 |
講師紹介 | 日本メンタルヘルス協会代表。 |
同じ家庭の中にいて同じように育てていても、
お兄ちゃんはあまり気にしないのに弟は何で落ち込むのだろうということがあります。
会社でやりにくい上司がいてもそれを楽しんでいる人がいれば、
鬱になってしまう人もいる。
鬱になるような人と話していると、
「周りがもっと優しかったら」とか「親が愛してくれたなら」とか、
出来事を変えようとします。
心理学では
「過去と他人は変えられない。変えられるのは自分と未来だけ」と言います。
リストラで悩む人がいますが、失業したけれど、
逆に今度は自分に合った仕事を探してやろうとか、
失業保険でしばらくは休養しようとか、受け取り方次第でどうにもなるのです。
ところがノイローゼになる人の特徴は、
その出来事を自分に魅力がなかったからだとか、
このままだとこれからもっと最悪になるだろうとか、
まだ来てもいない未来をマイナスにとらえてどんどん落ち込んでいくのです。
大事なことは、出来事が結果を作るのではなく、
出来事をどうとらえるかなのです。
フランクルという心理学者がいます。
彼のところに妻を亡くした男性がカウンセリングに来て
「最愛の妻を亡くして世界の色が消えてしまった。何を食べても味がない」
と訴えたとき、フランクル博士は「よかったですね」と言いました。
そして、博士は言いました「彼女もあなたを愛していたのですね。
もし、あなたが先に死んだなら、その悲しみを彼女が背負うことになったのです。
あなたはそれを望みますか?」と。その男性はその後立ち直っていったそうです。
僕の父は女性関係が激しく、母と別れて再婚し、
その新しい母は自殺し、だんだんと父とうまくいかなくなった僕は九州に預けられました。
僕は父のようになりたくなくて、カウンセラーになりました。
父を憎み、もうお袋みたいな人を作りたくないと思ってカウンセラーになったのです。
でもそれがなければ皆さんと今ここでお話しするような仕事を選んでいなかったような気がします。