2016年3月 6日放送 イルカさん(第1975回)
会場 | 御殿場市民会館(御殿場市) |
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講師 | シンガーソングライター イルカ |
講師紹介 | 東京生まれ。 |
会場 | 御殿場市民会館(御殿場市) |
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講師 | シンガーソングライター イルカ |
講師紹介 | 東京生まれ。 |
私が今着ている着物の柄は手書きです。
帯も帯締めも。5年ほど前、
亡くなった主人の親戚が呉服の関係者でしたから、
やってみないかと言われて始めたのです。
今、着物を着る機会が少ないけれど、
自分でプロデュースして作って着ることでアピールしています。
今日の絵柄はパンダ。帯の後ろにもパンダがいます。
今まで絵本を描いてきて、自分の絵とお話で作って、
絵本になる喜びがあったけれど、
今度は着られるという格別な喜びが増えました。
今日のテーマの「丁寧に暮らそ!」ですが、
丁寧の「丁」にはちょうどなどの意味があり、
「寧」には、心が安らかであるという意味が込められています。
これでなんとなくイメージがわきませんか?
また、暮らすの「暮」には、
生活するとか1つのことを続けるとかの意味があります。
私はこれがとてもいいなあと思います。
全体としては、「丁寧に暮らそ!」とは、
自分が一人前になったら家の中をちゃんとして、
心安らかにし、時には碁を打ったり、
琴の音色に耳を傾けてみたり、
日が暮れるまで四季折々の中で
何か続けてみませんかと言うようなそんな感じです。
とてもゆっくり時が流れていく気がします。
一方、自分の生活はどうなのかと振り返ると、
いつも分刻みで時間に追われていることに気づき、
1つのことをずっとやり続けるなどと言うのは
夢のように素敵なことだと感じました。
けれど、毎日は無理でも
意識してそうした時間を持ってみようと思えば
できるのではないかとも思うのです。
何とか工夫すれば何か出来るかもしれないし、
今は出来なくても、5年先でもやるぞと思ったら、
心の中に「うふふ」とうれしさが生まれるかもしれません。
私の絵本「まあるいいのち」の主人公・ノエルちゃんときんのすけを、
私の帯の1作目に描き、2011年に初めてそれを着ました。
とても大変な作業でした。
藍染は素人には難しいのでプロに教えてもらいながら、
生葉染めという方法でやりました。
職人さんに聞くと、息子さんたちには後を継がせないと言います。
なぜですと聞くと、食えないからと。もったいないことです。
機械で作るのも悪いことではありませんが、
本物の良さとは目に見えない思いとか、力とか、
伝承されたものが詰まっていることだと思います。