2019年3月 3日放送 小島慶子さん(第2119回)
会場 | 菊川文化会館アエル(菊川市) |
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講師 | タレント・エッセイスト 小島慶子 |
講師紹介 | 1972年オーストラリア生まれ。1995年TBSに |
会場 | 菊川文化会館アエル(菊川市) |
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講師 | タレント・エッセイスト 小島慶子 |
講師紹介 | 1972年オーストラリア生まれ。1995年TBSに |
何をもって「意見」というのか、真面目に考えると難しいと思います。
人は、自分が思っている事を口にして話の流れを止めてしまったり
考えを押し付けてしまったりするよりは黙っている方がいいと思いがちです。
人の意見を黙って聞くこと自体はすばらしい事だと思います。
そうでないと喧嘩になったりする事もありますから。
しかし人の意見ばかりを聞いているだけでは苦しいし、ストレスも溜まってしまいます。
ではどれくらいの塩梅で自分が思った事を口にすればいいのか?
そういう事は学校では教えてくれません。
職場でもそういう研修がある訳でなく、
結局皆さんは何となく自分が経験してきた場面から
意見を言っても良いタイミングを身に付けてきたのだと思います。
これからの日本の社会は外国から移り住む人も増え、
日本人同士でも価値観の違いを認め合い共生していかなければならない時代になってきます。
そうすると当然、自分の意見と違う人が増えます。
例えば、好きな人と一緒に暮らしたいなら
「役所に届けを出して法的に結婚する方が良い」という考え方があります。
しかし一方では、
「法律に縛られる事なくお互いの信頼関係があれば事実婚でも良い」という考えもあります。
このように考え方の違いが生じるとそれまで仲の良かった関係が一気に崩れてしまう事もあります。
ほんの少しでも自分と意見が違うと、否定されたように人は感じてしまいます。
多様な社会になればなるほどこのような意見の違いが多くなってきます。
意見が違うからといってその都度、衝突しているとお互いハッピーにはなれません。
そんな時は、「なるほどなぁ。自分と違うけれど、そんな考え方もあるのか。
その意見を聞けて自分も面白かったな。」と気楽に受け流す事ができれば良いのです。
でもそうする事は、なかなか難しい事だと思います。
しかし自分の意見を上手に言い、人の意見を上手に聞く力を持たないと社会生活は成り立ちません。
そんなヒントになるかどうかわかりませんが、
私の体験も含め、今日は「意見」を言う事についてお話したいと思います。