2020年4月26日放送 竹下和男さん(第2176回)
会場 | 裾野市生涯学習センター(裾野市) |
---|---|
講師 | 子どもが作る“弁当の日”提唱者 竹下和男 |
講師紹介 | 1949香川県生まれ。香川大学教育学部卒業。 |
会場 | 裾野市生涯学習センター(裾野市) |
---|---|
講師 | 子どもが作る“弁当の日”提唱者 竹下和男 |
講師紹介 | 1949香川県生まれ。香川大学教育学部卒業。 |
子どもたちは、食べるものは親が作ってくれるのが普通だと思っています。
しかし親が食事を作らずに買ってきたもので済ませることも多くなっています。
それが子どもの健やかな成長を妨げているのだということに親は気付かず、
子どもたちは悲鳴を上げています。
問題のある子どもと話をしているとよく出てくるのが「どうせ俺なんか」という言葉です。
そこには「役に立つ人間じゃない」とか
「生きている価値はない」という否定的な言葉が隠れています。
私はその言葉を使わずに済む生き方を自分でつくればいいと訴え続けてきました。
"弁当の日"の講演を聞いたある女の子が感想文を送ってくれました。
母親が働いているので、弟と自分そして母親の3人分の夕食を毎日その女の子が作るそうです。
父親はいません。電子レンジを使うか、フライパンで炒める程度の夕食です。
「もう少しまともな食事が作れない?」と言う母親に対して、
「文句があるなら自分で作って!」と心で思っていましたが、
実際に口にしたことは一度もなかったそうです。
講演後の感想文には「自分の考え違いに気付いた。」と書いてありました。
「母親が遅くまで働いてくれたおかげで家族みんなの食材を買うことができたんです。
私が料理上手になるチャンスをもらっていたんです。」と。
実は、講演会場でその女の子の母親が私の話を聞きながら泣いていました。
母親が人前で号泣している姿を見て考えが変わったそうです。
"弁当の日"の意義は、作る側の気持ちを理解すること。
食べる側だけで終わったらダメなのです。「手前みそ」という言葉があります。
昔は味噌も家庭で作っていて、我が家の味を覚えることで親子の絆を深めてきました。
家庭的に恵まれていない子どもはその状況から何とか抜け出そうとしています。
過去は変えられませんが未来は自分で創ることができる。
子どもを台所に立たせる"弁当の日"の活動から導き出された
「子どもたちを健やかに育む秘訣」をお伝えします。