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2020年12月 6日放送 陰山英男さん(第2208回)

会場 大富公民館(焼津市)
講師 教育クリエイター 陰山英男
講師紹介

1958年兵庫県生まれ。岡山大学法学部卒業後、
小学校教師に。2003年、全国公募で校長に就任。
基礎学力の向上を目指す「陰山メソッド」を確立。
全国各地で教育アドバイザーなども務めている。

番組で紹介した本 「学校を変える15分 常識を破れば子どもは伸びる」著:陰山英男(中村堂)

第2208回「人は15分の集中習慣で変わる」

私が指導する授業で漢字の書き取り練習はしません。

例えば「10回書きなさい。」と言うと10回書くことが目的になってしまいます。

勉強は集中するトレーニングです。

だらだら漢字の書き取りをしているのは、実は漢字を覚える訓練ではなく

「だらだら」を練習しているのです。


ところが多くの学校や大人はできるだけ長い時間、勉強した方がいいと思ってしまいます。

子どもがパーっと勉強を済ませて「お母さん、プリントできたよ」と言ったら

「よく頑張ったわね。余った時間でプリントもう一枚やったら?」。

その言葉を聞いた瞬間、子どもは「勉強を頑張ったらさらに勉強をさせられる?」。

そして翌日から悲劇が起こります。

10分でできることを20分かけるようになってしまいます。


また丁寧に指導してあげることも大切ですが

実はこれも子どもたちを受け身にさせてしまうおそれがあります。

受け身の勉強で子どもは伸びません。

子どもたちが自分で課題をみつけて、授業の中で解決していく、

そのために必要なのは、集中と徹底反復です。


ある小学校に指導に出かけた時のことです。

一生懸命勉強しても100点満点で30点ぐらい、

自力だけだと10点が精一杯という子がいました。

この子は明るくて笑顔が多い子でした。

明るく笑顔が多いのは集中しやすいことの表れです。

叱られたり、注意されたりすると萎縮してしまって課題を与えられても

無理じゃないかと思ってしまう、すると明るさがなくなってしまいがちです。

漢字の授業で私はその子の書いた字を消しゴムで消しました。

消しては書くの繰り返し、全力投球のバトルです。

すると知らないうちにその子も漢字が苦手なことを忘れてしまいます。

そして目の前の課題だけに意識が集中していくのです。

その後のテストでその子は3番目に課題ができました。しかも全問正解です。


勉強には集中することが重要です。

その一方で勉強したことを全て覚えておくことはできません。

忘れた頃に思い出せるように反復していけば新しく覚えるよりずっと楽です。

これが徹底反復です。

つまり基礎の次に来るのは、応用ではなく、盤石の基礎なのです。

基本的なことを集中してスピード感を持って繰り返していく、

一日15分の集中習慣が子どもたちの能力や自信を高めていくことにつながっていきます。

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