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2021年10月24日放送 尾木直樹さん(第2253回)

会場 裾野市民文化センター(裾野市)
講師 教育評論家 尾木直樹
講師紹介

1947年滋賀県生まれ。早稲田大学卒業後、
教師として22年間子ども主役の教育を実践。
その後大学教員に転身し22年教壇に。現在は
法政大学名誉教授、臨床教育研究所「虹」所長。

第2253回「尾木ママの子育てアドバイス」

コロナ禍は親も先生たちも誰も体験したことがない未知の経験です。

家庭も地域社会も大きく変わりました。

地域のつながりを分断されてしまい、

私たちは難しい家庭教育に立ち向かおうとしているのです。


こうした中、「大人になったらなりたいものベスト10」2021年の調査で

「会社員」が1位になりました。

しかも小学生女子以外の男女すべてのカテゴリーで1位でした。

これは新型コロナの影響で学校が休校になり、またテレワークが増えて

子どもとお父さん、お母さんが一緒に過ごす時間が増えたことが要因です。

小学生の男子が「なりたい」理由としてあげたのが「働くお父さんが好きだから」です。

テレワークで会議を仕切ったり、

仲間に指示を出したりしているお父さんが格好良く見えたようです。

親をリスペクトする気持ちの表れです。


一方でコロナの影響を心配する声もあります。

自粛生活の中で子どもの社会性の低下が懸念されています。

小学生の子どもを持つ20~40歳の男女を対象に行ったアンケートで

「コロナ禍が子どもの成長、学習に悪影響がある」

と感じる親が全体の70%を超えています。

コロナ以前の学校生活は友だちと一緒に「何して遊ぼうか?」とみんなで相談したり、

リーダーになる子がいたりして友だちの輪が広がっていました。

自粛生活ではこうした子どもの群れがなくなってしまいます。

社会性を十分に育めないのではないかと心配する気持ちは痛いほどよくわかります。


そんなとき家庭で何ができるのでしょうか? 尾木ママからのアドバイスです。

まず家族で家事を分担したり共に行うことです。

親子で一緒に家事をすることで協調性や社会性が身につきます。

家事の中でも料理はプログラミング的な思考につながるといわれています。

例えばカレーをつくる時。

まずにんじんや玉ねぎ、材料の野菜をどうするか、どんなルーを使うのか、

そして肉はビーフかポークか?段取りを整えていきます。

調理の段階でもどの食材から炒めていくか、

鍋に入れる順番を論理的に考えていきます。

そして家族で食卓を囲んで料理の出来栄えについて

感想を聞かせてもらえたり、ほめてもらえたりします。

料理は後片づけや食器洗いを含めて、すべて段取りをつけて

プロセスを踏みながら物事を達成していく満足感が得られます。

この一連の「段取り力」がプログラミング的な思考力です。

決してパソコンを使ったり、

ロボットを組み立てたりすることだけがプログラミングではありません。


また何事も理想を求めすぎないことも大切です。

常にパーフェクトでなくてもいいのです。

もしつらいことがあったらひとりで抱え込まないでください。

友だちに話したり家族でお互いに愚痴をこぼしたりしてください。

そして自分の時間をつくることも大切です。

自分自身の楽しみや心の余裕を新しい形でつくっていくことが

withコロナ時代なのかもしれません。

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