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2023年3月26日放送 原坂一郎さん(第2324回)

会場 西町幼稚園(焼津市)
講師 こどもコンサルタント 原坂一郎
講師紹介

神戸市生まれ。23年間の保育士勤務を経て、
2004年「こどもコンサルタント」として独立。
笑いと笑顔をキーワードに、子育てに関する講演を
全国で展開。日本笑い学会の理事も務める。

番組で紹介した本 「自己肯定感・コミュ力・生きぬく力『非認知能力』を育てる4歳からの親子あそび」 著:原坂一郎(PHP研究所)

第2324回「叱りどきは伝えどき」

親はどうして子どもを叱るのでしょうか?それは、我が子のためを思って「きちんとした人に育って欲しい」という気持ちがあるからだと思います。ひと言でいえば、『しつけ』のため。しかし叱っても改めさせることはできません。しつけは教えること、伝えることだと思ってください。すると肩の荷がおります。

「叱りどきは伝えどき」ポイントは五つです。まず、質問文で言わないこと。子どもを叱る時、つい出てしまう言葉は「いつまで起きているの?」「何をしているの?」などの質問文です。いつ、どこで、誰が、何を、なぜ?(5W)を使ってしまいがちです。これでは親が本当にしてほしいことが子どもに伝わりません。ではどうすればいいのでしょうか?それは「すべきこと」を言うことです。親がして欲しいことをそのまま伝えます。「いつまで起きているの?」ではなく、「もう寝なさい」こちらの方が効果的です。そして短い理由を添えることも大事です。「もう寝なさい」のひと言ではなく、「夜遅いからもう寝なさい」。理由がわかれば子どもは納得します。3秒以内の短い理由で大丈夫です。

また普通の言い方で話すこともポイントです。子どもを叱るとつい声が大きくなってしまいます。しかし、子どもは自分や相手が興奮状態にあると聞く耳を持てません。子どもが機嫌を損ねて一人でその場を離れようとしたときは、大きな声で「どこ行くの!?」と怒るのではなく、普通の声で「戻っておいで」と話しかけてください。

そして最後に、何度も伝えることです。人は同じこと繰り返し伝えるとき、2回までは優しく接することができます。しかし、3回繰り返すと腹が立ってきます。みなさんも「何回言ったらわかるの?」と叱るとき、その前に2回くらいしか言ってないことがほとんどだと思います。子どもに対しては、10回は繰り返して伝えてください。おおらかな気持ちで接して欲しいと思います。

「叱りどきは伝えどき」の五つのポイントを実践しても、すぐにその場で改まるものではありません。教えること、伝えることが大切です。その場で改善されなくても次の機会で良くなる確率がどんどん高くなります。

子どもたちは日々、いろいろなことを巻き起こします。して欲しくないことばかりしてしまう。逆にして欲しいことはしない。それが子どもです。わざとやっている訳ではありません。経験が不足していて物事を知らないだけです。ですからみなさん、叱りたくなったときは「伝えどき」だと思ってください。「この機会に新しいことを教えてあげよう」そんなこころの余裕をもって接してあげてください。

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