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過去の放送

2023年6月18日放送 住田裕子さん(第2336回)

会場 静岡県男女共同参画センターあざれあ(静岡市)
講師 弁護士 住田裕子
講師紹介

兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、検事に。
1988年、女性初の法務大臣秘書官となる。
1996年、弁護士に転身。テレビ番組などでも活躍。
NPO法人長寿安心会の代表も務める。

第2336回「人生を守る力」

連日報道されるオレオレ詐欺などの特殊詐欺。被害者は高齢の方が多いです。私の亡くなった母も夫の母も、もう少しで被害にあうという怖い思いをして、そのあと少し人間不信になったようなところもありました。

でも、高齢者だけではないのです。18歳、高校生が成人になりました。社会経験の少ない若者に対して、悪の手が忍び寄ります。みなさんに知っておいてほしいのは、成人になると親の取り消し権がなくなるということです。高額の商品をローンで買いませんかと売りつけようとする。そういうものにうかうか乗ってしまったとき、親が守れないのです。

被害者にならないためには、どうしたらいいのでしょうか?「もう年を取っているから」とか、「若いからしょうがない」ではなく、そこには落とし穴があるのです。


では、どんなタイプの人が落とし穴にはまるのでしょうか。

○馬鹿にされたくない
「知らないんでしょ?」って言われたら恥ずかしいと、つい分かったふり。良く聞こえないときも、「最近、耳が...」と言いたくないから、ふんふんとうなずいたりする。

○相手の言うことをよく聞く
そんな教育を受けてきましたよね。真剣に、寄り添って。それがマナー、人の道だと思っています。

○相手に嫌な人間だと思われたくない
ついにっこり。「やっていただけませんか?」と言われたら、「嫌です」と言えません。人間的に良い特性、実はそれが危ないんです。

さらに、

○あわてんぼう、うっかり

○私は強運の持ち主だ
インターネットを見たら「おめでとうございます!抽選に当たりました。あなたは幸運です」などと出て、そんなことが重なるとつい自信を持ちます。

○本当の友達がいない
一人ぼっち。心を許せる友達がいないと感じる。心の隙間、人の弱み。そこに付け込まれ優しい言葉が飛んで来たら、しょっちゅう気にかけてくれる人がいたら、コロッと行っちゃいますよね。


つまり、「被害者には誰でもなる可能性がある」ということです。
悪い人、だまそうとする人は、怖そうな顔をしていないということを覚えておいてください。

そして、加害者。

入り口はネットです。いいアルバイトとあると、若い人はちょっとやってみようと思う。すると、「身元を確認するために」とかもっともらしいことを言って、まずは運転免許証のコピーなど個人情報を取られます。

嫌な仕事が来て断ろうとしても、脅しです。「もう、おまえの情報は知っているぞ、これを断るなら親に言ってやる」など、脅し文句には事欠きません。本当に入り口は手軽で、軽い気持ちで個人情報を流す、するとがんじがらめになる。

最近の加害者の若者を見ていて、共通点があるように感じます。相談相手がいないのではないかと。当事者になると意外と視野がせまくなり、よその情報は見えません。そこを上手に取り込む。相談させないように他との接触を断つのです。

危ないな、怖いなと思ったら、そこで決めずに冷静に考えてください。嫌なこと、恥ずかしいこと、困ったことを相談できる相手を作っておいてください。

世の中で起きている事実を知り、みんなで共有し、悪の手に落ちないように、だまされないように。武器をしっかりと身に着けましょう。

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