2012年1月14日放送 山田パンダさん(第1770回)
会場 | 浅羽中学校(袋井市) |
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講師 | ミュージシャン・子どもサポーター 山田パンダ |
講師紹介 | 1945年生まれ。福岡県出身。 |
会場 | 浅羽中学校(袋井市) |
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講師 | ミュージシャン・子どもサポーター 山田パンダ |
講師紹介 | 1945年生まれ。福岡県出身。 |
最近、ちゃんと「大人してる」人を見ない気がします。
私が子どものころを思い浮かべると、昭和のあの時代、
お母さんたちは、たらいと洗濯板で洗濯をし、風呂は薪でたいていました。
子どもは薪を割り、お父さんが入る風呂に薪をくべました。
子どもが入るとお母さんがくべてくれて、薪のいい香りに風情を感じ、
それぞれ「湯加減はどう?」などと会話があったものです。
昭和の20年代から30年代は少しでも生活を良くしようと大人が必死で働いていて忙しかったので、
子どもにかまっている時間はありませんでした。
でも、大人が自信を持って働いていると、それを見ている子どもたちも、
何かあったときに、自分たちで解決する自浄作用があったように思います。
今、日本は世界の中でも最長寿国なのに、
みな健康面でも自信を持っていないのはなぜでしょうか。
若く見せることが大事になってしまっているのではないでしょうか。
先日、電車の中で中学生くらいの男の子が前に立っている男性に席を譲ろうとしたところ、
その男性は怒ってしまい、男の子はバツが悪くなって隣の車両に行ってしまいました。
こういうときはまず、「ありがとう」と言い、
それから「でも、おじさんはまだ元気なんだよ」と言いたいですね。
小学校の運動会が静かです。
昔は手でメガホンを作って子どもたちを必死で応援したのに、
今は、皆ビデオカメラを回しているからです。
レンズを通してわが子を見ないで、自分の五感で、身を乗り出して見たほうが楽しいはずです。
現代は情報化社会で、遠くのことに興味津々ですが、身近なことにもっと興味を持ちましょう。
奥さんが美容院に行って帰ってきたら「おっ、いいね」くらいは言いたいものです。
少しのことでカリカリせず、相手を気遣い、自分の負の部分も容認して、
目の前にある幸せを十分に感じること。
それが「大人力」だと思います。