2008年2月23日放送 堀田力さん(第1573回)
会場 | 浜松市立上島小学校(浜松市 |
---|---|
講師 | さわやか福祉財団 堀田力 |
講師紹介 | 1934年京都府生まれ。 |
会場 | 浜松市立上島小学校(浜松市 |
---|---|
講師 | さわやか福祉財団 堀田力 |
講師紹介 | 1934年京都府生まれ。 |
私は、ボランティアを広める活動をしていて、先日、世界各国の子ども達と一緒になる機会がありました。そのとき、多くの子どもは元気よく飛び回って遊んでいるのですが、三人だけが部屋の片隅で静かに座っていました。それが日本の子どもです。
近頃の子どもは大人の言うことをしっかりと聞く、とてもいい子なのですが、子どもらしさが無いように感じます。
このような特徴が、青少年を取り巻く問題につながっているのではないでしょうか。成績優秀でおとなしい子が、ある日突然残虐な事件を起こしてしまうことも少なくありません。私は検事時代に、少年院の刑務官からこんなことを聞きました。最近の子どもは「自分のことが好きではない」「生きていても仕方がない」と、自分を否定しがちであるというのです。もし、自分は生きている意味がないと思っていたら、他人を大切にすることもできませんよね。
うちの子はまさか、と思うかもしれませんが、子ども達は社会や学校、家庭の中で知らず知らずのうちに追い詰められています。親は自分の子どもに優秀になってもらいたい一心で周囲と比較したり、厳しく勉強の指導をします。しかし、親は愛情のつもりでも、子どもには届かないこともあるのです。
子ども達を幸せにするためにはどうすればいいのか。それは「自分は大切にされている」という実感を子どもに持たせることです。すると、子ども自身も「自分のことが大切」だと思うようになります。そのためにも、子どものいいところをもっともっと褒めてあげてください。