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2008年4月12日放送 杉山亮さん(第1580回)

会場 生涯学習センターひぐらし会館(伊東市
講師 児童書作家 杉山亮
講師紹介

1954年東京生まれ。都内の保育専門学校を卒業後、東京都利島村の村立保育園などに勤務し、7年間保育に携わる。30歳でおもちゃ作家に転身し、40代からは児童書や絵本のテキストを書き始める。「用寛さん本伝」「あなたも名探偵シリーズ」など著書多数。2006年から山梨県小淵沢に在住。

第1580回「子どもをみがく道具のひみつ」

今日は、子どもの使う道具選びについてお話します。子育てと言うと精神論になりがちですが、道具というのも重要なポイントの一つです。いい道具と出会うと子どもの作るものは確実に変わります。

私の娘が保育園に通っていた時の事ですが、毎日描いていた絵を年度末にまとめて家に持ってきました。その時は、子どもの描いた貴重な絵だと思い大切にとって置いたのですが、毎年のように絵がたまっていくので、だんだん扱いに困ってしまいました。そこで、中でもよく描けている絵だけ残し、その絵を額に入れて玄関に飾ってみました。すると、娘はそれをみて驚いてしまったのです。まさか、自分の絵が額に入って飾られるなんて思っていなかったんですね。そして、「この額に入れる絵をまた描きたい」と言い出したのです。

それまで娘が描いていた絵というと、地面に一本線が引いてあって、三角と四角で描いた家がある程度でした。しかし、額に入れるために描いた絵は、屋根の下に雨どいがあったり、窓にも留めネジがついていたりと、しっかり写生しているものでした。

私は、子どもに絵の描き方を指導したことはありません。「額」という環境を与えたことで、娘が自ら変わっていったのです。このように道具という身近なところから変えていくことで、子どもの力を伸ばすきっかけになると思います。

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