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2009年3月14日放送 林家木久扇さん(第1626回)

会場 浜名湖ガーデンパーク(浜松市)
講師 落語家 林家木久扇
講師紹介

1937年東京都生まれ。
高校卒業後、桂三木助に弟子入り。
その後林家正蔵門下へ移り芸名林家木久蔵に。
69年「笑点」のレギュラーメンバーとなる。
2007年落語界史上初の親子ダブル襲名により「木久扇」となる。

第1626回「木久扇流 痛快!子育て術」

私は日本橋の雑貨問屋に生まれ育ちました。大所帯で叔母親子や祖母2人、お店の番頭さんも一緒に賑やかに暮らしていました。5歳くらいまでは家計も裕福で、近所にある人形町に洋食を食べに行ったり楽しく過ごしていました。

しかし当時は太平洋戦争真っ只中で、我が家にも戦争の波が押し寄せてきました。私が小学校1年の時に東京大空襲が起こり、サイレンの音に怯えながら祖母に手を引かれて防空壕に逃げ込んだことを覚えています。

何とか一家無事に空襲を乗り切ったのですが父親が戦争の衝撃から働く気を失ってしまい、次第に生活が逼迫してきました。このことから両親は離婚、母と暮らすことになった私は、小学校4年だったのにも関わらず働かざるをえなくなってしまいました。新聞配達をしたり空き瓶を集めて売ったりと何とかして苦労している母を支えたいと頑張ったものです。

そんな少年時代を過ごしてきた自分にも長男が生まれました。私の父親としての方針は絶対に叱ったり比べたりしないということです。このような方針を持っていたのは、戦争を経験していることが大きいです。昨日まで一緒に遊んでいた友達が次の日に爆撃で死亡する姿を目撃しました。このように死生観というものをはっきり持っていたので、人生何が起こるかわからない、だからこそ自分に授かった子どもは何としても大事に育てようと自然に思えました。この子の良さはこの子にしかない、人と比べずに好きなことは何でもやらせました。皆さんもそのような気持ちで子育てをしてみてください。

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