2009年5月 2日放送 灰島かりさん(第1633回)
会場 | たまり〜な(掛川市) |
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講師 | 児童文学翻訳者 灰島かり |
講師紹介 | 千葉県生まれ。国際基督教大学卒業後 |
番組で紹介した本 | 「三びきのやぎのがらがらどん」 |
会場 | たまり〜な(掛川市) |
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講師 | 児童文学翻訳者 灰島かり |
講師紹介 | 千葉県生まれ。国際基督教大学卒業後 |
番組で紹介した本 | 「三びきのやぎのがらがらどん」 |
今日は絵本の楽しさをお話したいと思います。
何より絵本は、子どもと親が一緒に楽しめますね。世の中に親子一緒に楽しめるものは、そんなにありません。もちろん、初めてうさぎを抱っこしたときの感動など現実の体験が1番で、絵本は2番目だと思います。
ピーターラビットのお話を親子で読んだことがある方もたくさんいらっしゃると思います。ピーターがいたずらばかりして追いかけられて大変だったね、かわいかったねとお子さんとお話ができたでしょう。この時点で物語を親子で共有しているのです。お子さんが初めて動物に触れた時のような話ができる、それが絵本なのです。絵本は子どもにわかるように書いてあるのではなく、大人がわかるように書いてあるのです。これが絵本作家の素晴らしいところで、子どもの心を忘れていないのです。ピーターラビットの作者は、子どもが初めてうさぎを抱っこした時の感動を絵にして、文にして、大人と子どもが「Share(=わかちあう)」できる物語にしたのです。
もう一つ、絵本に素晴らしい点があります。絵本を読むときにお子さんを抱っこして、後ろから読んだことありませんか。その時お子さんは、絵を見ながらお母さんを感じているのです。お母さんの声がお子さんの皮膚を通じて伝わっているのです。それはお子さんにとって、最高の至福の時だと思います。有名な方が朗読している絵本もたくさんありますが、やはりお母さんの生の声が一番です。一緒に楽しめるように、お母さん自身も楽しめる絵本を選んでくださいね。