2009年6月 6日放送 柳本晶一さん(第1638回)
会場 | 浜松市立高台中学校 |
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講師 | 前バレーボール全日本女子チーム監督 柳本晶一 |
講師紹介 | 1951年大阪生まれ。高校卒業後、 |
会場 | 浜松市立高台中学校 |
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講師 | 前バレーボール全日本女子チーム監督 柳本晶一 |
講師紹介 | 1951年大阪生まれ。高校卒業後、 |
勝負の世界に身を置いて30年たちました。実業団4チームの監督の経験をして、それぞれトップになりましたが、スタートはどん底でした。その時の体験をお話します。
ある会社のトップから、バレーボールを会社のシンボルにしたいので、監督を引き受けてほしいと声がかかりました。実績もあり自信満々で出社したのですが、正直驚きました。現場では全く歓迎されませんでした。過去の栄光は何だったのか、くさりもし、何をしたらいいのか八方ふさがりでした。そんな時はもう開き直るしかないですね。腹をくくりました。まず何をしたかというと、会社内の掃除とバレーの活動を書いたビラ配りです。最初は関心を示してくれませんでしたが、二年経った頃から応援してくれる人が増えてきたのです。どうも柳本は本気らしい、というのが伝わったみたいです。その時思い知らされたのは、自分は実績も自信もあって、まわりを動かそうとばかり考えて、自分は動きませんでした。過去の栄光は通用しない、自分が変わらないとダメだと教わりました。
30年間、勝ち負けの世界で生きてきましたが、私は「負け勝ち」だと思います。勝負の世界、勝ちと負けは背中合わせです。勝ちを続けたいと思ってもそれは大変な努力が必要で、人生勝ち続ける事はまずないです。負けが続いてどん底の時に何が出来るかなのです。ここを乗り越えたら何かが変わるという、前向きの気持ちが大事です。負けを見つめ直すと、次の勝ちにつながるエッセンスがたくさん詰まっています。