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過去の放送

2009年6月20日放送 内田美智子さん(第1640回)

会場 さくら台幼稚園(富士市)
講師 助産師 内田美智子
講師紹介

1957年大分県生まれ。
看護学校、看護助産学校卒業後、産科に勤務。
88年福岡県行橋市に医師の夫と産婦人科医を開業。    
院内で幼児クラブを開き、若い母親を応援。     

番組で紹介した本

「ここ 食卓からはじまる生教育」
著:内田美智子/佐藤剛史
発行:西日本新聞社(税込1,500円)

第1640回「「生」を見つめる」

皆さん、出産のときの事を覚えていますか。私は、2500人の赤ちゃんを取り上げましたが、元気な赤ちゃんばかりではなく、辛い経験もありました。それは流産や死産です。

ある時、明日が予定日というお母さんが様子がおかしい、胎動がないと言うのです。調べてみると、赤ちゃんの心臓は止まっていました。胎内死亡でした。赤ちゃんをそのままというわけにはいきませんので、出産させました。普段は産声が聞こえて明るい産室になるのに、その時ばかりは、お母さんの泣き声だけが響いていました。そして、そのお母さんから、今夜は赤ちゃんを抱っこして寝てもいいかと言われました。もちろん「かまわないですよ」と返事をしましたが、心配で見回りを続けていました。すると、お母さんが赤ちゃんを抱っこして、お乳をあげていたのです。死産してもお乳は出るんですね。お乳を指先につけて、赤ちゃんの口元に指を添えていました。

皆さん、お子さんが目の前でウロチョロして、うるさいなあ、何で私を困らせるのだろうと思ったことはありませんか。赤ちゃんを抱っこすることが出来て、成長を見届けられるというのは、なんて幸せなことでしょう。

ぜひ、その幸せをかみしめて下さい。命がけで産んで、抱っこすることができて一生懸命育てられるのは、素晴らしいことです。辛いこと、悲しいこと、苦しいことも、たくさんあると思いますが、とても幸せなことなのです。

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