2010年4月24日放送 鈴木中人さん(第1684回)
会場 | 浜北文化センター |
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講師 | いのちをバトンタッチする会代表 鈴木中人 |
講師紹介 | 1957年生まれ。 |
番組で紹介した本 | 「6歳のお嫁さん」 |
会場 | 浜北文化センター |
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講師 | いのちをバトンタッチする会代表 鈴木中人 |
講師紹介 | 1957年生まれ。 |
番組で紹介した本 | 「6歳のお嫁さん」 |
今、命が粗末に扱われていると感じている方が
多いのではないでしょうか。
私には妻と二人の子どもがいて、どこにでもある普通の生活を送っていました。
長女の景子が3歳の時でした。
最初は夏風邪だと思っていましたが、様子がおかしいので総合病院へ連れて行きました。
医師から「小児がんかもしれない」と言われました。
その瞬間、何も感じませんでした。
現実と思えなかったのです。
すぐに景子は入院することになりました。
長男を実家に預け、妻は付き添いで病院に泊まり込みました。
当たり前に一緒にいた家族がバラバラになりました。
3歳の子にとって、抗がん剤の治療は辛いものでした。
入院して2ヶ月がたったある日、「私、天国へ行くの?」親に聞くのです。
両親の様子を見て、本能でわかったのでしょうか。
治療を続けて2年がたった頃、精密検査で新たな腫瘍が脳に見つかり、
医師からは、あと数ヶ月の命だと言われました。
言葉が出ませんでした。
それから、あと命が数ヶ月の子どもと暮らす日々が始まりました。
小学校入学の年になった時、ランドセル、ノート、服など全部新しいものを揃えました。
景子は友達に会えるからと、学校に行きたがりました。
しかし、抗がん剤の影響で髪の毛はなくなり、骨も脆くなっており、車イスで登校しました。
目の周りも黒ずんでいましたが、
恥ずかしいから外へは行きたくないとは一度も言いませんでした。
いずれ死んでしまう子どもでも精一杯生きていました。
しかし、病には勝てず、その年の7月に亡くなりました。
お嫁さんが大好きだった景子に、妻は白いドレスにブーケを付けて、
お嫁さんの衣装にして送りだしました。