2012年9月 8日放送 木村まさ子さん(第1804回)
会場 | 三島市立北中学校 |
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講師 | ことのは語り 木村まさ子 |
講師紹介 | レストラン経営の体験から、 |
会場 | 三島市立北中学校 |
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講師 | ことのは語り 木村まさ子 |
講師紹介 | レストラン経営の体験から、 |
ぬくもりという言葉から何を思い出すでしょう?
日射し、ホットミルク、お母さん...。
最近、小さなお子さんを連れて電車に乗っているお母さんの目が、
そのお子さんに向いていないことが残念です。
バギーを押す反対の手には携帯電話。
母とのつながりが大切な時期にとてももったいないことです。
軽く目を閉じて、自分が生まれたときのことを想像してみましょう
。お母さんのお腹に宿ったその時、そして十月十日の間お母さんの中で守られてすくすく育ち、
時にはおなかを蹴って、一回りしたり。
そのたびにお母さんはあなたの存在を感じ、愛おしく思っています。
お母さんは、時に怪我をしたり、病気をしたりもしますが、
そのたびにいろいろな周りの人達の力を借り、支えられてあなたをしっかりと守ります。
ですから、あなた自身も見たことのない誰かにいつも守られていたことになります。
そして、ついにお母さんとあなたと二人が力を合わせてひとつの命を生み出しました。
元気な産声、ほっとした嬉しそうなお母さん。
嬉しそうに覗き込むお父さん。
やがて、お母さんがあなたを抱き上げ、乳を含ませてもらいます。
その時、お母さんのあたたかな肌のぬくもりを感じるはずです。
それとともに「元気に育って」という声のぬくもり、
さらに、あなたを見つめるまなざしのぬくもりがそこにはあります。
もの言わぬこの時期に感じる、この3つのぬくもりが、人の原点ではないかと私は思います。
高知県の、問題のある少年少女を預かる施設の話ですが、
警察につかまり、家でも更生は不可能とされた子どもたちが、
その施設の寮長さんや、寮母さんや先生たちの声かけ、まなざし、ハグや握手などによって、
次第に心を開いてゆき、変わっていくそうです。
そして幼いころに感じていたお母さんのぬくもりを思い出し、
2度とお母さんを悲しませないという気持ちになっていくようです。
人はありのままの自分を認められた時、ぬくもりを感じ、素直になれるのです。