2014年3月 8日放送 奥村幸治さん(第1878回)
会場 | 大富公民館(焼津市) |
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講師 | NPO法人ベースボールスピリッツ理事長 奥村幸治 |
講師紹介 | 1994年、イチロー選手が210安打達成時に専属の打撃投手を務め、 |
会場 | 大富公民館(焼津市) |
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講師 | NPO法人ベースボールスピリッツ理事長 奥村幸治 |
講師紹介 | 1994年、イチロー選手が210安打達成時に専属の打撃投手を務め、 |
世界少年野球の監督を5年間つとめさせていただいていますが、
その子どもたちを支援してくれているのが東北楽天イーグルスの星野監督です。
私はプロ野球でバッティング投手を4年間つとめました。
阪神にいた時、当時中日の監督だった星野さんに出会いました。
とても怖くて近寄ることもできませんでしたが、
そんな方とアメリカの世界大会に一緒に行くことが出来ました。
アメリカでは、2週間色々な話をしてもらいました。
「俺は子どもの頃、母子家庭で貧しく、
グローブを買うこともできずに友達から借りて野球をしていた。
ある時、母親がそれを見て、自分の働く社宅の庭の草取りをしてくれたら、
グローブを買ってあげると言った。
それから毎日がんばって草取りをし、全部抜き終わった時、母が千円くれた。
それを持ってお店に行くと、千円のグローブがあったが、
隣には千五百円のものがあり、とてもいいものだった。
店のおじさんは、それは買えないねと言ったが、
自分がいつまでも千五百円のグローブをはめてポンポンと叩いていたら、
持っていっていいよと言ってくれた」という話をしてくれました。
そして星野さんは
「俺みたいな気持ちで野球をしている子がいたら教えてほしい。
出来ることは全部する」と言うのです。
そして星野さんは、
「今の子たちは色んな経験をしなければいけない。世界大会は野球だけではないよ」
とも付け加えました。
世界大会では、子どもたちがホームステイし、
ホストファミリーの家で2週間を過ごします。
アメリカのお父さんお母さんは、
まるでわが子のように子どもたちを大切にしてくれます。
片道1時間もかかる道のりを車で送り迎えしてくれる方もいます。
また、預かっている子が活躍できないと私のところにやって来て、
「私の作る料理が悪いのか?」と聞いてくるお母さんもいました。
そこまでの思いで、接してくれているので、
日本に帰る時、子どもたちは泣き崩れ、お父さんお母さんも同じように泣いてくれます。
星野監督は「この出会いなんだ」と言いました。
世界大会はメジャーで連続出場記録を持つカル・リプケン選手が、彼の育った町で開催催しています。
グラウンドは8つあり、50億円かかったそうです。
彼は、同じくメジャーリーガーだった父親に
「お前がメジャーの選手になった時、自分が育った町の人たちのため、
困っている人たちのために色々な応援の出来る人になりなさい」と言われ、それを実践しているのです。
彼の思いと星野監督の思いが一致していました。