2014年4月26日放送 齋藤孝さん(第1885回)
会場 | 菊川文化会館アエル(菊川市) |
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講師 | 明治大学文学部教授 齋藤孝 |
講師紹介 | 1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、 |
番組で紹介した本 | *番組で紹介した本 |
会場 | 菊川文化会館アエル(菊川市) |
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講師 | 明治大学文学部教授 齋藤孝 |
講師紹介 | 1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、 |
番組で紹介した本 | *番組で紹介した本 |
今、20代で、会社などのチームに入れないと社会経験を踏めず不利だと言われます。
これから会社に採用されようとする人は、そういう人材が必要だと信じ、
私は大学でもそういった就職のための訓練をしています。
例えば4人ひと組になり、ある課題を与えて解決策を考えさせます。
そして、誰が一番貢献したかを投票させます。
すると、必ずしもおしゃべりの人が一番ではなく、
他の人のアイデアをうまく引き出せた人が評価の高いことが分かります。
つまり、リーダーシップの要素は、カリスマ性だけでなく、
周りの人をやる気にさせたり、働きやすいようにしたりすることが大きいことが分かります。
さて、チームワークのコツは何でしょう。
思うに、チームの後の「ワーク」の部分を忘れていることが多いような気がします。
例えばサッカーワールドカップの日本代表チームを見ると、
代表に呼ばれるメンバーは確かにうまいが、ただ集まればチームかと言えばそうでもない。
監督がいて、指示を出し、その中で競争しながら、
勝ったり負けたりの繰り返しの中から1,2年を費やしてチームが出来上がっていきます。
つまり、うまい人=チームではなく、時間をかけてチームになっていくというプロセスがあります。
練習試合をすると、チームに何が欠けているかが分かって来ます。
そこで、一番必要なことはミッションです。
すべきことを与えられるとその集団は単なる集団ではなくなってきます。
共通のミッションを自覚してやるようになることが大事です。
東京オリンピック招致のチームはとても素晴らしいチームでした。
オリンピックを東京に持ってくるために10人20人でなく、
100人、200人がそれぞれプロフェッショナルとなって役割分担し、それぞれが機能しました。
IOC総会でプレゼンをした水野正人さんに、あの時に何が決め手だったかを伺ったところ、
第一は「明確な役割分担」。
そしてもう一つは「バックアップ」だとおっしゃっていました。
野球や他のスポーツと同じようにミスはつきものだが、
それを互いに補いあうことでいいチームになれるという意味なのでしょう。