2014年5月17日放送 鈴木せい子さん(第1888回)
会場 | 清水小学校(静岡市) |
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講師 | 鈴木助産院 院長 鈴木せい子 |
講師紹介 | 1947年群馬県生まれ。 |
会場 | 清水小学校(静岡市) |
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講師 | 鈴木助産院 院長 鈴木せい子 |
講師紹介 | 1947年群馬県生まれ。 |
35年間、命に寄り添い誕生を見つめてきて千人以上の赤ちゃんを取り上げてきました。
それぞれ様子が違いますが、共通しているのは、
お産は、お母さんの産もうとする力、赤ちゃんの生まれようとする力、
その2つの力の共同作業だということです。
色々な場所でお話をしていますが、
きっかけは、命が粗末にされる事件が多く繰り返されることからでした。
自分の大切な宝物が自ら姿を消してしまったらどうでしょう。
私の身近にも、学校から飛び下りて亡くなった女の子がいます。
原因はわかりません。
でもわかっていることはその子がもうこの世にいないということです。
こんなに悲しいことはありません。
お母さんは皆さん、自分の命との引き換えを覚悟してこの世に子どもたちを送り出してくれたのです。
信じられないことかもしれませんが、日本で1年間にお産で亡くなる女性は約40人。
世界では40万人から50万人もいるのです。
私の助産院には、毎年開発途上国の方たちが研修に訪れます。
そしていつもある場面で拍手が起きます。
それは「ここではまだ一度も亡くなった母親はいない」と言った時です。
彼らの国にも救急車はありますが、道路などのインフラが遅れていて、
いざという時、病院に到着するまでに長い時間がかかってしまうのです。
どんなに医学が進歩してもお産で命を落とす女性の数は日本でもゼロにはなりません。
まさに命がけの大事業です。
そんな風にして送りだしたわが子がやがて思春期を迎え、突然姿を消したとしたら・・・。
私はみなさんに3つのお願いをしたいと思います。
ひとつは、子どもが生まれた時のことを思い出してほしいのです。
生まれたわが子の顔を見て、必ず守ってあげたいと思ったこと。
お父さんも産んでくれた妻に感謝して涙を流したこと。
その時の幸せな気持ちもです。
ふたつめは、家に帰ったら、お子さんの生まれた時の話をしてあげてほしいということです。
そして生まれた時とてもうれしかったことを伝えてください。
3つめは、あなたの子宮に子どもを入れ直してあげてほしいのです。
子宮の中は居心地がよく、暖かく裏切りません。そうした環境を作ってほしいのです。
大切にされていると感じた子は、決して手の届かないところへ行ってしまうことはありません。