2018年3月11日放送 バイマーヤンジンさん(第2072回)
会場 | 静岡県立静岡東高校(静岡市) |
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講師 | チベット声楽家 バイマーヤンジン |
講師紹介 | チベット・アムド地方出身。 |
会場 | 静岡県立静岡東高校(静岡市) |
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講師 | チベット声楽家 バイマーヤンジン |
講師紹介 | チベット・アムド地方出身。 |
私は結婚を機に日本へ来ました。
そして私には、小学六年生になる息子がいます。
公立小学校に通っているのですが、本人の希望もあって
小学校四年生の時から中学受験を目指し塾に通っています。
塾でのクラス分けは厳しく、頑張って段々上のクラスに上がってきました。
しかし最近、疲れが出てきたのか下のクラスに落ちてしまいました。
私はショックを受けましたが、本人が一番ショックを受けていました。
もう受験勉強をやる気も失ってしまったようでした。
そこで私は息子に、自分が初めて日本に来た頃の話をしました。
私はチベットで11人兄弟の9番目として生まれました。
両親、兄弟の頑張りと愛を受け、大学まで出させてもらいました。
日本に来た時、その恩を仕送りという形で少しでも早く返したいと思いアルバイトを探しました。
私は日本食ではそばとうどんが好きなので、そば屋のアルバイトを探しました。
しかし日本語が話せないし聞き取りもできない私を雇ってくれるお店はありませんでした。
私は知り合いに紹介してもらった清掃のアルバイトをする事になりました。
「勉強をするのは、良い学校に行くためではなく、
将来自分がやりたい事、好きな事ができるよう選択肢を広げるためだ。」
と私の経験談から息子に言い聞かせました。
しかし息子は気が乗らない、やる気が出ない状態が続きました。
もう「勉強しなさい。」と言うだけで息子を立ち直らせる事は難しいと感じたので、
私は自分自身の行動を変える事にしました。
それまでは息子が帰宅すると「今日のテストは何点だった?」と聞いていましたが、
まずテストの点数を聞く事をやめました。
そして毎日抱きしめて、嫌がる息子にキスをし、「今日一日良く頑張ったね!」と褒めました。
息子が生まれて来てくれた嬉しさ、幸せを毎日伝えました。
息子はその愛を感じてくれたのか、最近は何も言わなくても自主的に勉強するようになってきました。
日本はチベットに比べ教育環境はとても整っています。
しかし選択肢が広いからこそ子育てが難しい点もあります。
最終的には子ども自身がどうなりたいのか、子どもの自主性を引き出し、
子ども自身が決めた事を親がサポートしてあげなければならないのだと感じています。