2018年7月22日放送 渡辺徹さん(第2090回)
会場 | 沼津市民文化センター(沼津市) |
---|---|
講師 | 俳優 渡辺徹 |
講師紹介 | 1961年生まれ、茨城県出身。高校を卒業後、 |
会場 | 沼津市民文化センター(沼津市) |
---|---|
講師 | 俳優 渡辺徹 |
講師紹介 | 1961年生まれ、茨城県出身。高校を卒業後、 |
私は俳優ですが、歌手やナレーションなど様々な仕事をさせてもらっています。
そんな中でとても勉強になった仕事がありました。
それは子どもたちと一緒にゲームをやる番組でした。
全国の予選を勝ち抜いてきた子どもたちがスタジオでゲームの決勝戦をやります。
この司会を10年やりました。
番組スタート時はなかなか上手くいきませんでした。
何が上手くいかなかったかと言うとスタジオが一つにまとまらなかったのです。
私たち大人の出演者が喋っている事を子どもたちが聞いてくれません。
皆はゲームをやりにスタジオに来ているわけですから
司会者である私の話も含め大人の出演者の話なんかに興味が無いのです。
一緒に出演しているお笑い芸人も子どもたちを笑わせようと様々なネタを披露するのですが、
見てもらえずガヤガヤしているだけでした。
毎回、番組終了後に反省会を開き
「なぜ子どもたちがまとまらないのか。」スタッフ一同で話し合いました。
しかし違う手法を試しながら放送を重ねても結果は同じで
子どもたちは興味を示してくれませんでした。
そして半年くらいたった時、
「もういいや。子どもたちの受けを狙うのはやめよう!
自分たち大人が楽しいと思う事をやろう!
お笑いのネタも子どもたちに合わせた内容じゃなく
自分たちが自信を持っているネタをやればいいよ。」
と、ある意味あきらめの境地で番組進行の方向転換をしました。
すると子どもたちが大人の喋りや行動を見て笑うようになったのです。
つまり、それまでの番組内容は「大人が子ども目線に降りてきて何かやっている。」と
子どもたち自身が見抜いていたのです。
ところが大人が本気で楽しい事や興味を持っている事を見せてあげると
「これは何だろう?」と子どもたちの方から我々に食いついてきました。
「子どもたちって鋭いな。」と思いました。
今日は子どもたちとの向き合い方や、人と人の繋がりについて考えたいと思います。