2018年7月29日放送 大豆生田啓友さん(第2091回)
会場 | 認定こども園 さくら台幼稚園(富士市) |
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講師 | 玉川大学教授 大豆生田啓友 |
講師紹介 | 1965年生まれ。青山学院大学大学院を修了後、 |
会場 | 認定こども園 さくら台幼稚園(富士市) |
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講師 | 玉川大学教授 大豆生田啓友 |
講師紹介 | 1965年生まれ。青山学院大学大学院を修了後、 |
子育てをしていると
「小さい頃からどのように育てるのが子どもの将来のために一番良いのか。」
と悩んでいる人が多いと思います。
特にインターネットの情報などで
「3歳までに能力が決まってしまうから、
それまでに子どもの才能の目をいかに伸ばすかが重要だ。」
などという記事を目にするととても焦ってしまいます。
「幼稚園や保育園に預けていると、
子どもは遊んでばかりいるように見えるけど大丈夫なのかな?」
「もっと勉強につながる事を教えてもらった方が将来役立つのではないか。」
という心配までします。
しかし最近の幼児教育についての研究の多くはインターネットの情報とは少し違うようです。
そのキーワードとなるのが「非認知能力」です。
まず「認知能力」がどのような能力かと言うと、
「目で見える能力」あるいは「数量化して計れる能力」の事です。
わかりやすく言えば文字の読み書きが早くできるとか計算が早いといった能力で、
これらを小さい時から教える事が大切だと考えられてきました。
しかし最近は、これとは異なる「目に見えない能力」
つまり「非認知能力」を育てる事が大切だと言われています。
この事は幼児教育や保育の専門家の間では日本だけではなく世界的に常識になってきています。
小さい頃に良い幼児教育を受けた人とそうでない人を何人も何十年にもわたり追跡調査し、
その人たちがその後どのような人生を送ったかを調べたアメリカの有名な研究があります。
その結果、良い幼児教育を受けた人は世間でいう「成功者」の割合が多かったそうです。
では「良い幼児教育」とはどのようなものだと思いますか?
それは認知能力を伸ばすための「勉強を教える」事ではありませんでした。
実は非認知能力を育むための「子ども主体の遊び」を経験させていました。
遊ぶことが「生きていくための重要な力」になっている可能性があるのです。