2020年8月23日放送 親野智可等さん(第2193回)
会場 | テレビ静岡(静岡市) |
---|---|
講師 | 教育評論家 親野智可等 |
講師紹介 | 1958年静岡県生まれ。公立小学校で23年間教師を務める。 |
会場 | テレビ静岡(静岡市) |
---|---|
講師 | 教育評論家 親野智可等 |
講師紹介 | 1958年静岡県生まれ。公立小学校で23年間教師を務める。 |
雑誌の座談会に出たときのことです。テーマは、「習い事をどう選ぶか」。
すると開口一番、参加したお母さんから「お宅は、いま何をやらせている?」。
よくある会話ですがいきなりのNGワードです。
その他にも
「このごろの藤井聡太くん、すごいよね。うちも将棋やらせようかしら。」
「自分がピアノをやっていたからうちの子にもピアノをやらせようかな」
「自分はバイオリンをやりたかったのにできなかったから子どもにはやらせたい。」
など。
聞いていると、ほとんどの親が自分の頭の中にある
「妄想」を押し付けてしまう傾向にあるのがわかります。
でもこれはまちがいです。
では、どうすれば、まちがえないで済むのでしょうか?
まず、子どもを良く観察して、そこからスタートすることが大切です。
そこから自然に見えてくるものが必ずあります。
例えば、親子でテレビの幼児番組を一緒に見ていると、
曲にあわせて踊る子、踊らない子いろいろなタイプがいます。
「踊る子」は踊りが好き。そこに向き・不向き、才能が眠っている可能性が非常に高いのです。
子どもをよく観察して、例えば絵が好きだったら
色数の多いクレヨンを買ってあげたり、描いた絵を飾ってあげたりしてください。
そして観察だけでなく「お試しチャレンジ」をしてみることも大切です。
例えば、公民館で開かれる草笛講座やロボットプログラミング教室。
子どもたちが興味を持ちそうなことを紹介、推薦してあげることが大事です。
人は必ず何か才能を持っていますがそれに出会えるかどうか?が難しいのです。
いろいろ試してみて向いていなかったら次のことを始めればいいのです。
「辞め癖がつく」は迷信です。
むしろ嫌なこと、自分に合わないことを押し付けられてやり続けることは
不安やストレスなど弊害の方か大きいです。
一度やってみて辞めてしまったことも決して無駄にはなりません。
「引き出し」が増えていきます。
子どもは、ちょっとでも知っていたり体験したりしたことは、他の子より夢中になって楽しめるのです。
この夢中になる「熱中体験」も大切です。
こうした体験が子どもたちの自己肯定感を高めてくれるほか、
親子関係を良くしてくれるなど、家庭にもいい効果をもたらしてくれる事例をいくつかご紹介します。