2020年12月27日放送 ジェフ・バーグランドさん(第2211回)
会場 | テレビ静岡(静岡市) |
---|---|
講師 | 京都外国語大学教授 ジェフ・バーグランド |
講師紹介 | 1949年米国生まれ。高校教師歴22年と、 |
会場 | テレビ静岡(静岡市) |
---|---|
講師 | 京都外国語大学教授 ジェフ・バーグランド |
講師紹介 | 1949年米国生まれ。高校教師歴22年と、 |
「育つ」と「育てる」。
子どもが自ら成長し、その個性を活かしていくのか?
あるいは親がレールを敷いて導いていくのか?
これはいつの時代も親の悩みです。
幸せな人生を送るためには、親が最善をつくしてしっかり育てるという側面がありますが、
ひとつの出会いをきっかけに人生が大きく変わる場面もあります。
私が小学4年生の頃のことです。
1957年に当時のソビエト連邦が世界初の人工衛星の打ち上げに成功しました。
アメリカにとってはショッキングな出来事でした。
宇宙開発で先を越されたアメリカは科学者を育成する教育に着手します。
理数系が得意だった私は学年で4人に選ばれ飛び級で中学に進級しました。
これは社会が敷いたレールです。
そしてちょうどその頃、私の父が独立して自分の会社を設立しました。
父から見ると私は"後継者"ということになります。家族の望むレールです。
私はふたつのレールの間で悩みましたが、
個人的には伯父の影響で牧師になりたいとも思っていました。
しかし、いま私は先生をしています。
ある出会いがきっかけで人生が変わりました。
大学2年の時のルームメイトが日本人でした。
彼はとても面白い人で、「日本に行ってみたい!」と思わせてくれました。
実際に行ったら「ひと目ぼれ」でした。
特に京都の街はすばらしく50年以上住むことになりました。
親が敷いたレールに乗っていたとしても子どもはあるきっかけ、出会いで変わっていきます。
子どもたちはテレビを見たり本を読んだりして夢に出会い、
近所や学校で友だちや大切な人たちに出会います。
そしてその中できっかけを自分でつかんでいきます。
こうしたチャンスを与えることが親の一番大切な役割だと思います。
子育てのゴールはいつ、どのように評価したらいいのでしょうか?
私には孫が5人います。息子たちはいま子育ての真っ最中です。
どこまでレールを敷けばいいのか?どこまで自由にさせたらいいのか?悩んでいます。
自分の子どもたちが子育てに悩んでいる姿を見て今は、悩むこと自体が正解だと思っています。
「木の上に立って見る」というのが親という漢字です。
親は子どもの成長を見届けるもの、
「育つ」と「育てる」の両立を目指して頑張って欲しいと思います。