2011年7月30日放送 田部井淳子さん(第1748回)
会場 | 牧之原市立榛原中学校 |
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講師 | 登山家 田部井淳子 |
講師紹介 | 1939年福島県生まれ。 |
会場 | 牧之原市立榛原中学校 |
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講師 | 登山家 田部井淳子 |
講師紹介 | 1939年福島県生まれ。 |
35歳の時、世界で初めて女性だけで世界最高峰のエベレストに登頂しました。
きっかけは、女性だけでヒマラヤに行きたいと女性だけの登山チームを作ったことです。
最初から、7000mの山を目指してネパールのアンナプルナⅢ峰(7555m)を目標としました。
運よく天候にも恵まれ、女性9人だけで登頂しました。
次は、8000m級です。
世界には8000mを越える山は14ありますが、
屈強な体力やスピードを要求される厳しい山を除くとエベレストが残りました。
各国の登山家が登頂に成功しており、情報も多く、
8000mを超えてからそれほど難しくないという事もわかりました。
そして、何より、登山家憧れの山です。
まず始めたのが、エベレストを目指すチーム作りです。
多くの女性に声を掛けました。
すると、ほとんどの人は、最初は「世界一の山だから行きたい」と言いますが、
その後に必ず「でも」が続き、最後には「体力、技術がない。お金も暇もない」と尻込みしてしまうのです。
行きたい気持ちがあるのに、なぜ、行けない条件を先に作ってしまうのでしょうか。
私はアンナプルナに登頂した時に、すぐれた体力、技術だけでなく、
一番必要なのは、そこに行きたい、登りたいという強い気持ちだということに気付かされていました。
結局、18人の編成となり、準備に入りました。
住んでいる所、仕事もばらばら、主婦もいます。
ネパール政府に申請してから、許可が出るまで時間もかかり、準備期間は4年になりました。
登頂に成功して、皆さんから、凄いことを成し遂げたと言われますが、
私にとって、山頂で日の丸を掲げた一瞬のことより、
1400日間の準備期間が、とても大切だったと思っています。