2008年10月11日放送 齋藤孝さん(第1605回)
会場 | 常葉学園(静岡市) |
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講師 | 明治大学文学部教授 齋藤孝 |
講師紹介 | 1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、 |
番組で紹介した本 | 「なぜ日本人は学ばなくなったのか」 |
会場 | 常葉学園(静岡市) |
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講師 | 明治大学文学部教授 齋藤孝 |
講師紹介 | 1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、 |
番組で紹介した本 | 「なぜ日本人は学ばなくなったのか」 |
私が大学生活を過ごした1980年代は、同じ昭和でも、それまでの昭和とは雰囲気が少し変わっていました。ブランド物を持つことがステイタスになり、教養が無くても恥ずかしくないと開き直る若者も増えました。
現在はそれが主流になり、知らなくてもいいしバカでもいいんじゃないかと若者達みんなが横並びで崩れていくように感じます。
そんな状況で子どもたちの意欲をかき立てるには読書をさせるといいでしょう。特に伝記がおすすめです。私は最近、北里柴三郎の伝記を読んだのですが、熊本から単身ドイツ留学し、寝る間も惜しんで細菌学の勉強をする姿には頭が下がる思いでした。伝記に出てくるような人物は、才能があるとか頭がいいということ以上に、大きな覚悟を持って目標に向かうという気概があるのです。伝記の良さはまさにここで、壮大なテーマに挑んでいる話を読むだけで突然やる気を取り戻し、日々の生活に邁進できるようになるものです。
さらに、「向上心」という言葉を日常的に使うことも大切です。今日の向上心はいくつかとグラフをつけているだけで気持ちも変わってきます。すると、自分に向上心をもたらすような友達と出会いたいと思ったり、そのためにレベルの高い勉強に挑戦しようという意欲が湧いてきます。
みなさんは、子どもに生きている喜びや、努力して何かを達成する気持ちを味わってもらいたいですよね。そのためには、読書などを通じて、向上心を持たせる環境づくりをしてみてはいかがでしょうか。