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2008年10月18日放送 齋藤孝さん(第1606回)

会場 常葉学園(静岡市)
講師 明治大学文学部教授 齋藤孝
講師紹介

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、
同大学院教育学研究科博士課程等を経て現職。
専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。
「声に出して読みたい日本語」ほか、著書多数。

番組で紹介した本

「退屈力」
著:齋藤孝
文春新書(税別720円)

第1606回「“退屈力”を鍛える」

みなさんは、子どもから「なぜ勉強をしなければいけないか」と聞かれた経験はありませんか?勉強を頑張れば進学校に行けて、優良な会社に就職できるというのはよく聞く答えですよね。しかし私がしてきた勉強や、大学で教員養成を行う経験を通して、勉強をすると“退屈力”が身につくんだということがわかりました。

勉強の多くは文章を暗記したり、数式を解いたり単語を覚えたりと、とても地味ですよね。しかし、この地味な作業を継続することがいかに困難であるかを考えてみると、学力云々の前に、地味なことを続けられる根気強さ、つまり“退屈力”が培われるのと思います。また、社会人になれば学歴だけで能力を判断されることはなく、気配りができることや縁の下の力持ちのようなことも求められます。この時にも“退屈力”が生きてくるのです。

現代の子どもたちを取り巻く環境は“高度刺激社会”と表現できるほど、テレビやインターネットの刺激に溢れています。刺激に慣れすぎて、地味なものの良さをじっくり味わうことができないのです。そんな中で子育ての軸にしていただきたいのが絵本の読み聞かせです。絵本は流れてくるものをただ受け取るテレビアニメと違って、自ら情景を想像しなければいけないので、地味なものの中から楽しいことを生み出す力が身に付くのです。このように子どもたちの“退屈力”を鍛えてあげてください。

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