2008年11月 8日放送 山元加津子さん(第1609回)
会場 | 菊川文化会館アエル(菊川市 |
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講師 | 作家・エッセイスト 山元加津子 |
講師紹介 | 1957年、金沢市生まれ。 |
番組で紹介した本 | 「幸せ気分」 「本当のことだから」 |
会場 | 菊川文化会館アエル(菊川市 |
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講師 | 作家・エッセイスト 山元加津子 |
講師紹介 | 1957年、金沢市生まれ。 |
番組で紹介した本 | 「幸せ気分」 「本当のことだから」 |
今日は私の大切な友達でもある雪絵ちゃんという女の子のお話をします。
雪絵ちゃんとは、重い病気を抱え地域の学校に通うのが困難な子どもたちが学ぶ病弱養護学校で出会いました。彼女が抱える病気はMS(多発性硬化症)というもので、脳の障害により発熱すると目が見えにくくなったり、手足が動きにくくなります。発熱が治まれば病状は緩和されるのですが、私はまたいつ再発するかといつも不安でした。
しかし雪絵ちゃんはどんなにつらい時でも自分の力で立ち直ることのできる強いお子さんでした。そして「MSになって良かった」というのが口癖で「車椅子の生活をしているからこそ気付けたことや、多くの人々との出会いがたくさんあった」と前向きに生きていました。私はそんな風に思えるなんて素敵だなと思っていました。
そんな雪絵ちゃんとの日々が続いていたある年末の日、悲しい知らせが届きました。雪絵ちゃんが亡くなったということでした。私は、雪絵ちゃんの容態がどんなに悪化してもまさか亡くなることは無いだろうと思い込んでいたのでしばらくつらい思いでいっぱいでした。
数日後、私のもとに彼女からの一通の手紙が届きました。その一部を紹介します。「12月28日、私の大好きで大切で幸せな日、今日生まれてきて大成功。Snowに生まれてきてこれまた大成功。」Snowというのは雪絵ちゃんの愛称なのですが、最後の最後まで雪絵ちゃんは自分を丸ごと愛していたのだなと思います。