2008年11月 1日放送 下村健一さん(第1608回)
会場 | 島田市立島田第五小学校(島田市) |
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講師 | 市民メディアアドバイザー 下村健一 |
講師紹介 | 1960年東京都生まれ。 |
会場 | 島田市立島田第五小学校(島田市) |
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講師 | 市民メディアアドバイザー 下村健一 |
講師紹介 | 1960年東京都生まれ。 |
皆さんはお子さんに「テレビの見方」を教えたことがありますか。テレビやインターネットなどのメディアから情報が溢れる今、これは「ご飯の食べ方」や「道の歩き方」を教えるのと同じように、子供たちに教えなければいけないことだと思います。中でも今日はマスメディアからの「情報の受け取り方」についてお話します。これは情報に踊らされない大人になるために必要なことです。
家庭で実践できることとして、テレビを見ながら子どもに次の4点を問い掛けてください。1つ目は「実際に起きたこと?感じたこと?」です。キャスターが話す内容が事実か、その人が感じた印象かを見極めましょう。2つ目に「他の見方はないかな」ということです。例えば、人里に猿が出たというニュースがあったとします。これは違う視点から見ると、もともと猿がいた山を切り開いて人が住んでいるのだから、猿里に人が出たとも言えるのです。3つ目に「何が隠れているかな」です。ニュースはある事象にしかスポットを当てませんから、その裏に隠されていることにも目を向けましょう。
最後に「まだわからないよね」、つまり結論を即断しないということです。松本サリン事件の第一通報者である河野義行さんを犯人視した例が典型的です。情報を伝える側の「部分しか伝えきれない」限界性と、視聴者の「部分を全体だと思ってしまう」癖とが重なり合って、皆が加害者になってしまいました。
このように情報化社会である現代においてメディアからの情報を正しく受け取るということは、衣・食・住に匹敵する重要事項なのです。