2008年11月29日放送 藤原和博さん(第1612回)
会場 | 富士市立大淵中学校(富士市) |
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講師 | 教育改革実践家 藤原和博 |
講師紹介 | 1955年生まれ。 |
番組で紹介した本 | 「つなげる力」 |
会場 | 富士市立大淵中学校(富士市) |
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講師 | 教育改革実践家 藤原和博 |
講師紹介 | 1955年生まれ。 |
番組で紹介した本 | 「つなげる力」 |
今日は子どもの学力についてお話します。そもそも学力と言われるものには次の2種類があると思います。一つは「情報処理力」で正解を導き出す力、もう一つは「情報編集力」で納得解を導き出す力です。
情報処理力とはいかに多くのことを覚えて、すぐに答えを出せるかということが問われます。多くのみなさんが考える学力というとこの力ではないかと思います。しかし多様な価値観で変化の激しい現代社会においては正解が一つということは無く、いくつかの解の中で自分の納得できるものを選ぶ力、つまり情報編集力が必要となるわけです。
昔は、人生における幸せというのは「いい学校を出ていい会社に入る」というような共通意識があったわけですが、今は自分自身が幸せだと感じられるものを見つけられる子どもに育てなければなりません。
その中で大きな役割を果たすのが、地域社会の大人達です。親は心配のあまり子どもの可能性を潰してしまうことがありますが、利害関係の無い地域の大人だったら、純粋に子ども達のやりたいことや好きなことを伸ばしてあげられると思うのです。それによって現代の子ども達に決定的に欠けている自尊感情が芽生えてくるのではないでしょうか。
和田中では実際に「地域本部」や「土曜寺子屋」など地域社会とのつながりを広げてきました。子どもの学力を学校任せにせず、私達大人がうまく連携して、子ども達が前向きな気持ちで学べる環境を作っていかなければいけません。