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過去の放送

2009年2月 7日放送 尾木直樹さん(第1621回)

会場 長田南小学校(静岡市)
講師 教育評論家 尾木直樹
講師紹介

1947年滋賀県生まれ。早稲田大学卒業後、
教師として22年間子ども主役の教育を実践。
その後大学教員に転身し22年教壇に。現在は
法政大学名誉教授、臨床教育研究所「虹」所長。

番組で紹介した本

『「よい子」が人を殺す』
著:尾木直樹
発行:青灯社(税込1,890円)

第1621回「“よい子”の危機」

最近マスコミで“よい子”が起こす事件をよく目にします。
今日はこのようなよい子の心理を考えてみたいと思います。

昨年を振り返ると、八王子や秋葉原など数多くの無差別殺人事件が起こりました。
これまでもよい子がキレるというのは聞いたことがありましたが、その多くは親に反抗したものです。しかし昨年の事件で標的になったのは、不特定多数の全くの他人です。つまり、彼らには不満をぶつけるべき家庭が無かったのです。
家庭環境が崩壊していて、自分の居場所を見つけることができず、いつの間にか社会から孤立したような絶望感だけを感じて生きていたのだと思います。ですから、子どもを厳しくしつけることももちろん大切ですが、安心して帰ることのできる居場所を作ってあげることが第一です。

よい子とは一体誰にとってのよい子なのでしょうか。それは親にとってですよね。みなさんはよくご自分の経験則から、ちゃんと挨拶ができる子や成績優秀な子がよい子であるという思いを子どもに重ね合わせます。しかし子どもたちの人生は自分自身で切り開いていくものです。親からの「よい子ストレス」で子ども達がつぶされていくのは非常にもったいないと思います。
そのために心がけていただきたいのは、子どもたち自身に、自分は大切にされているんだという実感を持たせてあげることです。テストの点数が悪かったり失敗しても、現状を認めて、子どもを丸ごと受けとめて欲しいものです。

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