2010年10月30日放送 齋藤孝さん(第1711回)
会場 | 大井川公民館(焼津市) |
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講師 | 明治大学文学部教授 齋藤孝 |
講師紹介 | 1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、 |
番組で紹介した本 | 「最強の人生指南書」 |
会場 | 大井川公民館(焼津市) |
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講師 | 明治大学文学部教授 齋藤孝 |
講師紹介 | 1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、 |
番組で紹介した本 | 「最強の人生指南書」 |
皆さん「論語」をご存知ですよね。さて、いくつ言えますか。
多分、すぐ引用できる人は少ないと思います。
もったいないですね。大学の授業で、好きな言葉や、
詩がありますかと聞いても、すっと出る学生は多くありません。
では、どうしたら身に付くのでしょう。
自分自身の引用ノートや手帳を作ってみませんか。
本を読んだ時、好きな言葉に出会ったら、ノートや手帳に書き写します。
本の内容を全部把握するのは大変ですが、一つの言葉を書き写すのは難しくありません。
その好きな言葉が、いずれ自分の「人生訓」になるのです。
江戸時代は子どもの頃から「論語」ですぐれた言葉を習いました。
一生懸命、音読して覚えたそうです。「信」という字が「論語」にはよく出てきます。
本来、この「信」という字には「言行一致」の意味があります。
「信頼」「信用」などの言葉がありますが、使いこなす中で「信」の持つ意味が理解できます。
江戸時代の教育は、易しいものから徐々にではなく、
いきなり最高のものを子ども達に与えていました。
それを繰り返し言葉に出すことによって、身についていきます。
そうして論語のメッセージが子ども達にも伝わるのです。
江戸時代の儒学者、佐藤一斎の言葉を紹介したいと思います。
「少にして学べば、すなわち壮にして為すことあり。
壮にして学べばすなわち老いて衰えず。老いて学べばすなわち死して朽ちず」。
素敵な「人生訓」だと思います。