2018年6月10日放送 にしゃんたさん(第2084回)
会場 | 菊川文化会館アエル(菊川市) |
---|---|
講師 | 羽衣国際大学教授・タレント にしゃんた |
講師紹介 | 1969年スリランカの世界遺産・キャンディ市生まれ。 |
会場 | 菊川文化会館アエル(菊川市) |
---|---|
講師 | 羽衣国際大学教授・タレント にしゃんた |
講師紹介 | 1969年スリランカの世界遺産・キャンディ市生まれ。 |
日本と違い私の母国スリランカでは街のあちこちで象を見る事ができます。
私が小学生の頃にもありましたが、子どもたちの間では象にまつわるジンクスがあります。
それは通学途中に象を何頭見るかによってその日の運命が決まるというものです。
象の数が奇数ならいい事が、偶数なら悪い事が起こると言われていました。
学校で先生に怒られても
「今朝、学校に来るまで象を偶数しか見なかったから仕方がない。」といった感じです。
また私の出身地のキャンディ市では8月にペラヘラ祭りという大きなイベントがあります。
この祭りの特徴は象が参加することです。
何十頭という象が綺麗な服を着て電球で装飾され街をパレードします。
他にも、スリランカには両親がいない象のための孤児院まであるのです。
それほどスリランカの人にとって象は身近な存在なのです。
では象が初めて日本にやってきたのはいつ頃だと思いますか?
およそ600年前、室町幕府への贈り物として今のインドネシアからやって来ました。
その後も江戸時代まで様々な国からゾウが贈られました。
そして、動物園での飼育用として象がやって来たのは今から130年程前になります。
今日に至るまで350頭以上の象が日本にやって来ています。
日本人は象から元気付けられたり癒されたりしています。
中でも有名なのは戦後すぐにインドからやって来た「インディラ」という象です。
戦争のため動物園の大型動物が殺処分され、日本では象が見られなくなっていた頃です。
子どもたちの願いに答え、当時のネール首相がインディラを贈ってくれました。
そこには
「世界の子どもたちは皆同じように優しいです。
でも大人になると自分たちの意見を主張し喧嘩をします。
この象を平和の象徴として贈ります。」
という主旨の手紙が添えられていたそうです。
2018年現在、日本に生存している象の中で最長老はアヌーラという65才の象です。
アヌーラは私の母国スリランカ(当時はセイロン)の
象の孤児院から1956年に日本にやって来ました。
アヌーラという名前は当時の首相の息子の名前で、
この家族はスリランカの歴史に大きく関わっています。
今日は歴史を紐解きながら、人間の多様性についてお話ししたいと思います。