2012年5月 5日放送 衛藤信之さん(第1786回)
会場 | 吉田町学習ホール(吉田町) |
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講師 | 心理カウンセラー 衛藤信之 |
講師紹介 | 日本メンタルヘルス協会代表。 |
会場 | 吉田町学習ホール(吉田町) |
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講師 | 心理カウンセラー 衛藤信之 |
講師紹介 | 日本メンタルヘルス協会代表。 |
病院や学校をカウンセラーとして訪ねていますが、
髪を後ろに束ねたこの風貌は白衣の威圧感を和らげてくれるようで、子どもには受けています。
2001年には、ネイティブ・アメリカンたちと生活を共にしました。
そこで感じたことは、文明が人間の生活を思うように変えて来たけれども、
自然だけは唯一思うようにならないということでした。
ネイティブ・アメリカンの人に教えられたことの一つは「死に方」です。
彼らは「人は生まれてくるとき涙を流して生まれるが周りは生まれたことを喜び笑顔で迎える。
ところが、死ぬ時はそれが逆転して、自分は笑いながら『ありがとう、楽しかった』と言い、
周りは、『まだあなたが必要だ』と言って泣く」と言いました。
これが、ネイティブ・アメリカンの死に方、つまり生き方だそうです。
自分が死ぬ時に何人の人が泣いてくれるか、
あなたに出会ってよかったと部下から言ってもらえるか。
子どもからお父さんお母さん、あなたの子で良かったと言ってもらえるか。
これは日々の過ごし方の問題です。
一期一会とは、「いつも会っている人に今日限りだと思って接すること」だそうです。
関東には宵越しの金は持たないという言葉がありますが、
私たちが目指すのは「宵越しの恨みを残さない」ということです。
私たちは限りある人生を生きています。
タイムバジェット(時間予算)といいますが、
一日一日をきっちり終わらせることが大事な生き方です。
阪神淡路大震災のときに活躍した暴走族がいました。
今は立派なビジネスマンですが、
その彼が「バイクで避難所から避難所へ物資を届けるたびに、
その地区のおばちゃんたちが、ありがとうと言って感謝してくれ、
いつまでも手を振ってくれた。ミラーにその姿が映っていた。
自分はバイクの乗り方を間違えていた」と言っていました。
人は、あなたに出会ってよかったという人に会い、生き甲斐を感じるのです。