2016年4月17日放送 山﨑洋実さん(第1981回)
会場 | 東豊田中学校(静岡市) |
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講師 | コミュニケーションコーチ 山﨑洋実 |
講師紹介 | 1971年静岡県生まれ。コーチングを学び、 |
会場 | 東豊田中学校(静岡市) |
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講師 | コミュニケーションコーチ 山﨑洋実 |
講師紹介 | 1971年静岡県生まれ。コーチングを学び、 |
私は息子が2歳のころから今の活動をしています。
子育てにはその時々、楽しさや大変さや深みもありますが、
それも期間限定だというお話をいつもしています。
1人の子どものおむつを替えるのは6千回だと言われています。
2人で1万2千回です。
でも、いつかそれにも終わりが来るのです。
子育てのゴールとは何でしょうか。それは子どもの自立です。
幼稚園に行くとき、手をつないでいきましたが、それも終わり、
小学校も中学校も終わり、もう手をつないでくれません。
切ないのは、最後を味わい尽くして終われないといことです。
私は最後にわが子と手をつないだ日を覚えていません。
その日は突然やってきます。
私が1つだけ覚えているのは、息子とバスに乗っていて、
家の近くのバス停に着いたとき、
私がいつものように後ろに手を伸ばすとそこに手がありませんでした。
あれ!?と思ったら、そのバスには
同じ小学校の同級生の女の子が乗っていました。
6年生の春の出来事です。
「あ、ちょっと離れていく」と思ったものです。
もしも子どもがあと6枚でおむつをやめると言ったら、
1枚1枚味わい尽くしておむつを替えることでしょう。
今日で手をつなぐのをやめると言われたら、
きっと遠回りして家に帰るでしょう。
あるお休みの日、神奈川県の大山に家族で登りました。
夫と息子はすいすい登っていくのに、
私は1歩ずつ息を切らしながら登っていました。
すると、そこに息子の手が伸びてきて、「お母さん、はい!」と。
久しぶりの感触、でもなんか違う。
3年前までは私が先頭だったのに、逆になっていました。
ある老人介護施設で働く私の受講生が言いました。
山﨑さんの言っていることは本当にゆりかごから墓場までですよと。
何か粗相をしてしまったおばあちゃんにきつい言葉で注意している娘さんは
それがのちに自分に向けられる、
自分がやったことは必ず返ってくるということです。
この活動を10年やってきて思うのは、
今のお母さんたちは人に頼ったり甘えたりすることが苦手な人が多いということ。
それは「人に迷惑をかけてはいけません」と言われて育った人が多いからです。
でも、人に迷惑をかけないで生きてきた人はいません。
インドの人はこう言うそうです「あなたが大きくなれたのは色々な人に助けてもらったからですよ」と。
私たちの社会は人に迷惑をかけても、それを許し許されていく社会なのではないでしょうか。