2017年2月12日放送 橋幸夫さん(第2020回)
会場 | 静岡流通会館(静岡市) |
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講師 | 歌手 橋幸夫 |
講師紹介 | 1943年東京都生まれ。 |
会場 | 静岡流通会館(静岡市) |
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講師 | 歌手 橋幸夫 |
講師紹介 | 1943年東京都生まれ。 |
私の母は88歳で亡くなって去年27回忌を済ませましたが、
晩年は認知症にかかってしまい、9人兄弟が皆で協力して介護をし、
最後は私の家で在宅介護しました。
その体験をまとめたのが「お母さんは宇宙人」という本です。
多くの方に読んでいただき、テレビドラマにもしていただきました。
当時は老人の病気というと、
ガンとか血管系の病気などが多かったのですが、
ちょうど30年ぐらい前から認知症が急速に増えてきました。
この病気の大きな特徴は、自覚症状がない、
ぼけていることが自分でわからないことです。
母を介護して人生観が本当に変わりました。
それまでは、お年寄りを尊敬はしていてもそれ以上の思いはありませんでした。
ところが母を在宅で6年間、目の当たりに見て、
元気だった母がこんな風になってしまうと言うことに驚き、
恐ろしくなり、自分は認知(症)にだけはなりたくないと強く思いました。
でもだんだんと変化していく母を見ていると、
誰にもそうなる可能性があるのだと思うのと同時に、
出来れば周りに迷惑をかけたくないとも思いました。
認知症は、寿命が伸び、
人生80年時代に入って多くなってきたことで増えて来た病気です。
脳は複雑なコンピューターです。
体の他の部分が元気でも、
脳の中の見えないところでいろいろな機能が低下し、
認知症になります。
種類も様々で、アルツハイマー型や
脳血管型認知症、レビー小体型認知症などに分けられます。
私が30年前にある東京の区に問い合わせて知った患者の数は、
全国で46万人だったのが、
今はその10倍の462万人に跳ね上がっています。
また、予備軍と言われる軽度認知障害の人は400万人と言われます。
ですから私だけは大丈夫と言ってもそうはいかないのです。
人間の体は20歳を過ぎればどんどん機能が低下していきます。
それを理解しつつ、自分で努力していくしかありません。
人生は楽しむだけではありません。学習することが大事です。
学習とは毎日のすべての出来事に意識を向けることです。
しっかり食べ、しっかり会話して、家族と向き合って、
友達と付き合うことが人生を謳歌することにつながります。