2020年3月15日放送 ジェフ・バーグランドさん(第2170回)
会場 | 菊川文化会館アエル(菊川市) |
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講師 | 京都外国語大学教授 ジェフ・バーグランド |
講師紹介 | 1949年米国生まれ。高校教師歴22年と、 |
会場 | 菊川文化会館アエル(菊川市) |
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講師 | 京都外国語大学教授 ジェフ・バーグランド |
講師紹介 | 1949年米国生まれ。高校教師歴22年と、 |
会場の皆さんは、私を見て、まず何を思いましたか?
おそらく、多くの人は、私の容姿から「外国人」という言葉が頭に浮かんだのではないかと思います。
私たち人間は、昔から知らない人と出会った時、一番大事な情報として、
まず、その人が自分にとって安全な人なのか?そうでないか?という事を把握しようとします。
わかりやすく言えば、自分とよく似ている人、
つまり外見や年齢、性別、背格好などが、同じくらいの人だと安心します。
しかし、私のように「外国人」だと、会った時から身構えてしまいがちになります。
この「見える」情報から推測してしまう私たちの習性が、今日の本題に繋がってきます。
今、私たちが生きている社会は、決めつける時代から、考える時代になってきたという事です。
決めつける時代というのは、見た目でその人が、どのような人かを決めます。
考える時代というのは、その人の内面に、何が潜んでいるのかを見極める事が大切だという時代です。
英語で「アイデンティティ」という言葉があります。
これは、日本語で「自分」という意味だと思ってください。
「自分」という人間には、「外面」と「内面」があります。
私のように「外面」が、日本人から見て外国人に見える人間は、
日本にいる時は「違った」人に見えます。
しかし、アメリカに帰ると、周りの人と容姿があまり変わらないので
「外国人が歩いている。」とは、誰も言いません。
では言葉はどうでしょう?
私は日本での生活が長く、英語がきれいになりました。
アメリカに帰った時にきれいな英語を話すと「どこの国の方ですか?」と聞かれます。
アメリカ人だと答えると、相手は驚き、「それは、外国人の英語ですよ。」となります。
「言葉」は聞いて分かるので「外面」、つまり見える文化になるのです。
では「内面」、見えない文化とはどんなものがあるでしょうか?
今日は「自分」が持っている「見える文化」と「見えない文化」について考え、
決めつける時代から考える時代になってきた理由をお話ししたいと思います。