2020年3月22日放送 岸田ひろ実さん(第2171回)
会場 | 御殿場市民交流センターふじざくら(御殿場市) |
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講師 | 日本ユニバーサルマナー協会理事 岸田ひろ実 |
講師紹介 | 1968年大阪府生まれ。知的障がいのある長男の出産、 |
会場 | 御殿場市民交流センターふじざくら(御殿場市) |
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講師 | 日本ユニバーサルマナー協会理事 岸田ひろ実 |
講師紹介 | 1968年大阪府生まれ。知的障がいのある長男の出産、 |
私は最近、普通とか当たり前って何だろう?とよく考えます。
私は12年前、ある病気をしてから車椅子生活を送っています。
それまでは歩いて生活していましたが、
今はこの車椅子の生活が、私にとっての普通であり、当たり前だと思っています。
私には2人の子どもがいます。長女は、28歳、長男は、24歳です。
長男はダウン症で重度の知的障がいがあります。家族の中に私と長男、2人の障がい者がいるのです。
そして障がい者ではありませんが、長女も、苦手な事が多く、
結構ドジで、おっちょこちょいな行動をしてしまいます。
そんな子どもたちと暮らしていると、他の家庭より
「何が普通で、何が当たり前だろう?」と考える機会が多いのだと思います。
皆さん想像してみてください。障がい者って普通じゃないのでしょうか?
LGBTや、ひきこもり、不登校の子どもたちはどうですか?
私からしてみれば、皆、「普通」だと感じます。
私自身で考えてみると、歩いていた頃は、歩けた自分が普通でした。
しかし今、このように歩けなくなった自分は、これが普通です。
「普通」の基準って、いったい何でしょうか?
私は歩けなくなったことで、他人と違い、ハンデがあり、怖くなった事があります。
「もう歩けない。」と落ち込みもしました。
しかし、他人と違うという事は、育ってきた環境や、価値観にもよるのです。
皆、違いがあって当たり前なのだと気付きました。
そして、その時から、怖さや落ち込みからも解放されていきました。
他人との違いを理解し、それを受け止めるには、難しく、時間もかかるかもしれません。
では、どのようにして受け止めればいいのか?
そのヒントになるかどうかわかりませんが、
私が海外で経験した、障がい者に対する接し方や、様々な体験談を交えながらお話したいと思います。