2020年4月 5日放送 岸田ひろ実さん(第2173回)
会場 | 御殿場市民交流センターふじざくら(御殿場市) |
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講師 | 日本ユニバーサルマナー協会理事 岸田ひろ実 |
講師紹介 | 1968年大阪府生まれ。知的障がいのある長男の出産、 |
会場 | 御殿場市民交流センターふじざくら(御殿場市) |
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講師 | 日本ユニバーサルマナー協会理事 岸田ひろ実 |
講師紹介 | 1968年大阪府生まれ。知的障がいのある長男の出産、 |
きょうは、みなさんに私の家族の話を聞いていただきたいと思います。
すごいんです、私の家族。まさにダイバーシティ、多様性です。
私の家族は、4人家族です。
車いすに乗っている私と、80歳近い高齢の母、そして28歳になる娘と、24歳になる息子。
息子はダウン症です。重度の知的障がいがあります。
娘は「うちの家族は障がいがないのは私だけだよね。すごいよね。」とよく言いますが、
彼女にとっても自慢の家族なのです。
なぜ自慢かというと、私たち家族それぞれにみんなできないことがあります。
しかし、できないことがあるからこそ、実は人を助けられています。
家族それぞれが助け合えているのです。
誰かひとりが欠けても私たち家族は成り立ちません。
例えば、買い物に行く時です。
私が車を運転して店に行きますが、母と息子がいないと買い物はできません。
我が家では母が主婦を担当してくれているので、献立を考えて買うものを探すのは母。
ただ足が悪く、背も低いため不便も多く、
そこで出番が来るのが、力持ちでフットワークの良い息子です。
一回買い物に行くと一週間分、大きな袋4袋くらいになります。
それを全部息子が袋に詰めて、マンションの駐車場を2往復して運んでくれます。
私の家族は、みんなそれぞれにできないことが違います。
でも、みんな違うから、みんなできないことがあるから、
こうやって助け合えているのだと気付かされ、この家族で良かったと思っています。
そんな私たち家族ですがちょっと変わった家訓と言いますか、決めていることがあります。
それは、「できないことを頑張るのではなく、できることを伸ばしていこう。」ということです。
ただ、子どもたちが外の世界に出ると、
この考えが原因で悩んだり落ち込んだりする時期もありました。それでも、
「あなたはそのままでいいんだよ。人と違うからこそ、人を助けることができるんだよ。」
と伝え続けることが、親である私の役割だと思っています。